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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第52話 韓国対日本 後編(vs 高永夏)
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「フン。今度はオレが笑ってごまかす立場になったな」

「和-Ai-を打ち破って韓国の強さを、いやオレの強さを世界に示すつもりだったが――。
 大口を叩いてたオレも結局は自分の力不足を思い知ることになったな」

「半目差だったんだ充分――」

「進藤! 和-Ai-のヨセを代りに打ったオマエにはわかってるんだろ?」

「北斗杯の最後に言ってたよな。遠い未来と、遠い過去を繋げるため――」「ああ」

「オレ達はみんなそうだ」「そうだな。オレは、オレ達は、誰もが――」

「けど、これからはオレは“いま”の歴史を創っていく」「“いま”を?」

「和-Ai-の強さはホンモノだ。想像してた以上のバケモノだった。
 誰にも敗れることなく今年中に囲碁の世界から去るだろうさ。来年には過去になるだろう」

「オレは来年にはタイトルを取る。韓国のタイトルも勿論だが――舞台は国際棋戦だ。
 今年も三星火災杯、春蘭杯の参加が決まっているが――」

「近い将来“いま”世界最強の棋士は誰かと聞かれたらオレの名前が挙げられるような棋士になる」

「高永夏……」

「オレもいつか遠い未来からしたら遠い過去になるだろうさ」

「だが遠い未来に名が残るような棋士になるには“いま”活躍し結果を残すしかない」

「進藤、オマエが本因坊秀策のように誰もが知る棋士になれるか楽しみに待ってるよ。じゃあな」

 対局室に独り残った進藤ヒカルは秀策が――虎次郎が碁を打ったという押し入れを見つめる。

「佐為、ごめんな。オレ、敵も討てなかったよ。
 けど必ずお前に胸を張れるような棋士になるから――待っててくれ」

「約束するよ。本因坊のタイトルもオレが取る。
 連覇して、いや、本因坊の座にあり続けて永世称号の名前も得るよ。
 藤原佐為の名は歴史に残ってないけど、本因坊秀策の名前と碁は歴史に残り続けてる。
 だからオレもsaiの名の代わりに、本因坊佐為としてオマエとオレの名前と碁を歴史に残す。
 オマエと同じ本因坊になったら――いつか一緒に打てるかな――また何処かで」

 そのとき押し入れの中に飾られた秀策母子が愛用という碁盤で囲碁を打つ――

 藤原佐為と現代の着物を着た女性の姿が見えた――――気がした。

 第二部「北斗杯編」終
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