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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第50話 キミに呼びかける 後編(vs 塔矢アキラ)
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予定より帰国が一日遅れてね。昨夜、帰国したところだよ」
「先ほどまでは大盤解説会場の後ろで見させてもらっていた」
「先生、和-Ai-の碁に不要に思える利かしが多いのは“想定し易さ”に関係が無いのでしょうか?」
緒方が自ら抱いていた疑問を塔矢行洋に投げかける。
「どうだろう。和-Ai-の考えは私とは違う気がする。
和-Ai-が部分で碁を判断していないのは間違いないが――最善の一手を追求しているとは私は思えない。
このヨセも細かいことを気にしていない。恐らくは勝つ事以上の最善にこだわりがないのだろう」
「それでも和-Ai-に我々が勝てないのは?」
「我々は勝とうと細部に神経を尖らせながら、おそらく大所で易しい間違いをしているのだろう」
「だが、このアキラの一局は悪いものではなかった」
「最後まで死力を尽くしたのが分かる」
「北斗杯で高永夏君に立ち向かった進藤君の姿に重なるな」
「先生、我々も対局場へ行きましょうか?」 終局を見届けた芦原が声をかける。
「いや、私はこのまま東京の家に戻るよ」
「息子さんに『よくやった』の一言もかけずに?」 同世代の一柳が軽口を叩く。
「台湾に非常に才能のある子がいると聞いてね。早々に台湾に向かおうと思う」
「先生からは、もう“日本”を感じませんね」「次はいつ戻られるんですか?」
「因島で行われる高永夏君の対局も見たいとは思っている。
今後は国際棋戦で彼と戦うことになる中国の棋士たちもかなり注視している様だ」
「なるほど。その点では同じ和-Ai-が相手でもアキラ君より注目度が上ですか」
アキラの応援に来ていた棋士たちが検討室から去っていた後、一人になった塔矢行洋は盤上を見つめながら感慨深げに呟く。
「成長したな。アキラも私と同じなのかもしれない――」
「私がsaiの強さを追うように、アキラも東堂シオンの強さを追っている」
「いや、違うな。私はあのとき彼女の強さから逃げたのだから――アキラの方がずっと強いか」
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