暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第47話 奈瀬明日美 vs 趙石
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でも2線をハイを打って構わないというわけではないかと相当な研究が必要です」

「では我々プロ棋士は今後どうやって指導していけば?」

「それは――高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います」

「ようするに行き当たりばったりってことですか?」

「私もまだ全く理解出来ていません。
 ただ我々プロを驚愕させた和-Ai-の星に対する早期三々入りも、恐らくこの2線ハイからの壁攻めと関連して打たれだしたものだと思われます」

「なるほど。手を進めましょうか。趙石君の白石は気持ちの良い利かしです」

「え? この黒の手は?」「右辺の四目を囲いましたね」

「序盤でこんな手を打たれたら、苦痛で顔が歪んでしまいそうです」

「気持ちは分かります。春木女流も奈瀬女流とは棋戦で当たることもあるでしょうから注意しておいてください」

 何だかおかしい。奈瀬女流の手はさっきからあまり褒められてない。形勢も良いのか悪いのかハッキリしない。

「黒の手はゆったりしてますね」「いえ、これは守りに見えますが右辺の白の壁を狙っています」

「白石が足早に中央に進出しましたが?」

「はい。ただ、ここからの壁攻めが奈瀬女流の碁――。
 いや話題となっている和-Ai-の碁を理解する重要なポイントの一つとなっている様です」

 奈瀬女流が憧れるという正体不明のネット棋士。未だに無敗を誇る無双の棋士。これからどんな碁を魅せてくれるのだろう。

「対して白は2つの石を連絡した自然な手に見えます」「そこで黒は二間のトビの隙を狙う」

「この手は受けるわけにはいかないんですか?」「さきほど中央に進んだ手の効率が悪くなります」

「奈瀬女流はその隙を確実について、左右を割ることに成功しました」

「ただ、下辺の黒も弱くなったように見せますね」

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対局場 side-Asumi

 彼が私の対局を見守ってくれている。そう思うと自然と力が湧いてくる。

 北斗杯には和-Ai-が関わっているから、私の為だけに会場に来てくれた訳じゃないというのは分かっている。

 けど、この舞台は恩返しでもあるんだ。ずっと支えてきてくれた彼に対する――本来の意味での。

 いなくなっちゃうのなら、せめて私の姿を目に焼き付けて忘れないでいて欲しい。

 私がこの舞台まで来れたのは、才能でも努力でもなくて、貴方と出会えたという幸運。

 趙石は黒を抑え込むのは無理と見た様だ。ここがキレイに止まると白はツライ。
 私の黒を切りに来る。俗筋の利かし。白からは細心の注意を払い安全を確認している感じが伝わる。
 白が手順を尽くして切った。この辺り、対局者の
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