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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
763部分:第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその十一
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第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその十一

「上手い具合にまとまっててな」
「三人だけではないですしね」
「草薙と八神もだな」
 そのギターとベースの二人もだというのだ。
「いい感じでな」
「まとまってますね。ただ」
「ただ。何だ?」
「不思議ですね。御二人がまとまるのは」
 ナコルルはそのことを言うのだった。
「あれだけいがみ合っているのに」
「そのことか」
「はい、どうしてでしょうか」
 また言うナコルルだった。
「御二人は。互いに命をやり取りしているというのに」
「強敵ってやつだな」
 テリーは微笑んでだ。それだというのである。
「つまりな。あの二人はそれなんだよ」
「強敵ですか」
「ああ、『とも』なんだよ」
 それだというのである。
「つまりはな」
「『とも』ですか」
「そうなんだよ。だから命のやり取りをしていてもな」
「いざとなればですか」
「ああして息を合わせられるんだよ」
 こうナコルルに話す。その二人のことをだ。
「そういう関係なんだよ」
「成程、深いんですね」
「深いさ、あの二人はな」
 また言うテリーだった。
「俺達の入ることのできないものがあるな」
「そうですか」
 そんな話もしていた。彼等の出だしはいいものだった。そしてだ。
 曹操の本陣ではだ。一人腕を組んで立っているだけの男がいた。リョウである。
 彼は動かない。その彼に許緒が声をかけた。
「あれ、リョウさんは行かなかったの」
「ああ、ちょっとな」
 こう許緒に答えるのだった。
「音楽とかはな」
「駄目なの?」
「よくわからないんだよ」
 こう話す。
「ちょっとな」
「リョウさん音楽駄目だったんだ」
「妹がいてな」
「確かユリさんだったよね」
「あいつは歌うのは好きなんだけれどな」
 話をしながらだ。顔を曇らせるのだった。
「それでもな」
「下手なんだね」
「一言で言えばそうだ」
「歌うの好きで音痴っていうのは」
「困ったことだ」
「春蘭さんなんか結構上手だけれどね」
「そうなのか」
 何気に彼女の歌のことがこの二人の間でも話される。
「あの人も歌は上手だったのか」
「そうだよ。機会があればね」
「聞くといいのか」
「そうだよ。そうしたらいいよ」
「だから俺は音楽はな」
「駄目なんだね。やっぱり」
 そうした話をしていた。そしてだ。
 許緒はだ。話を変えてこんなことを言ってきた。
「ところでさ。お腹空かない?」
「そうだな。そういえばな」
「リョウさん何好き?僕何でも好きだけれど」
「餅が好きだな」
「あっ、お餅が好きなんだ」
「ああ。米をついて作った方がな」
「そっちのお餅だね」
「ああ、それがいい」
 こう話すのだった。実はこ
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