ペルソナ3
1820話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……」
沈黙。
それが、この世界に姿を現したニーズヘッグを見た、ゆかりの反応だった。
いやまぁ、機体から発する雰囲気そのものが、サラマンダーやミロンガ改とは大きく違うのだから、その気持ちも分からないではない。
いや、サラマンダーやミロンガ改も、普通ならトップエースが乗っても不思議ではない性能を持つ機体だ。
そう考えれば、やはりニーズヘッグという存在の格が明らかに他の機体と違うのだろう。
シャドウミラーの技術の粋を尽くして生み出された、まさにフラッグシップ機と呼ぶに相応しい機体。
その上、シャドウミラーで新しい技術が生み出されれば、それがこの機体で試される事もあり、今の状況でも更に強化され続け……いや、成長し続けている機体。
嘲笑する虐殺者の名を持つ機体として考えれば、寧ろ納得してしまう姿をしている。
「やっぱり、今までの2機とは違うか?」
「……そうね」
ニーズヘッグに見入っていた……いや、魅入っていたゆかりが、俺の言葉で我に返ったのか、そう告げてくる。
「感じてると思うが、この機体は色々と特殊な機体だ。もっとも、だからこそこの影時間の中でも動くんじゃないかと思ってるんだけどな」
そう告げ、そのまま空中に浮かび上がる。
さて、俺の予想が正しければ……
機体に近づいていくと、その瞬間コックピットが開く。
特に操作をしている訳でもないのだが、これはニーズヘッグが俺を……自らの半身にして、相棒にして、パイロットを迎え入れた、という風にも見える。
実際にはT-LINKシステムが俺の念動力を感知したというのが、正しいのだろうが。
「動いた」
俺が近づいただけで、自動的にコックピットが開いたのを見てゆかりが呟く。
まぁ、サラマンダーとミロンガ改は、両方ともコックピットそのものが動かなかったのだ。
そう考えれば、コックピットが動いただけでも驚くべき事なのだろう。
そしてコックピットが動いた時点で、既に俺の目論見は……影時間の中で機体が動くのかどうかを確認するという目的は、達成されたも同然だった。
こうしてコックピットが動いたのだから、機体が動かないという事もないだろう。
ただ、一応……本当に念の為にそれを確認すべく、俺はコックピットに座る。
そしてT-LINKシステムが俺の存在を感知し、一瞬で判別を終了。
俺をアクセル・アルマーだと認識して、機体が起動する。
『動いた!?』
外部スピーカーから、先程と同じゆかりの声が聞こえてくる。
だが、そこに込められている感情の色は、先程よりも圧倒的に強い。
まぁ、サラマンダーとミロンガ改は、その姿形や大きさとかそういうので驚いただろうけど、結局のところ動かなかった以上、それはただの置物でし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ