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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第34話 最強初段 vs 最強女流 前編
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らんかったけど、かじりついてライブ中継を見たわ。
 あんくらい目立ってもうたら親もちいとは見直してくれるんやろうか。

 ほんまに和-Ai-の碁に興奮したんや。あんなかっこええ碁が打ちたいって思ったんよ。
 自由奔放で誰にも邪魔をされない圧倒的な力強さで持って我ままを押し通すような碁や。

 碁に万能のセオリーは無いっていうやろ?
 どんな格言にも例外はあるし、愚形の手が一番ええって場合もよくあることや。
 強い棋士が常識外れな手を打つことだって多々ある。
 ちゃうな。強いからこそ状況に合わせたセオリー外の妙手を選ぶ力があるってことやん。

 師匠は基本を学ぶ生徒にとっては和-Ai-は混乱の元になる面があるっていうて、棋譜並べの教材選びなどの時には各自のレベルにあったものを勧める様にして、アマチュア相手に和-Ai-を並べることはゼッタイにせーへん。

 こないだも和-Ai-が2線ハイを多用するので初級者への指導がしにくくなると漏らしとったが甘いわ。

 なんやこれ!?

 ほら黒は星へいきなり三々入りという、誰もがブッたまげる新手法を平然と打つ。

 あかんまたしびれてしまうやろ。

●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇

case 3 「渡辺八段」

 ここで三々入りだと!?

 一回戦の初手5の五や二手目天元にも驚いたが……そういった初手の選択とは違う。
 碁打ちであれば誰もがぶっ飛んだ手が出たと驚く一手だ。

 辺にヒラキ無い星にいきなり三々入り。
 進藤初段の手が止まる。さぞタマゲたことだろう。

 社初段を始め対局を見守る若き棋士たちの注目が集まる。
 一回戦とは違った意味で目の離せない一局になりそうだ。

 三々入りは隅を荒らす得よりも外を強くするマイナスが大きく、布石の段階では損とされて来た。

 なるほど。黒はここで左上を安定させにいく。白は定石の手順。
 しかし新鋭の女流が魅せるのは最先端の布石。
 これは一柳棋聖がいう「2線を這っても構わない」という考えと一部つながっているのか。

 白石はちょうどよいヒラキ。
 次の手が入れば黒石は高さがあだになり地も根拠地も失う。
 いまさら後手で低く受ける訳にはいかない。

 ここでカタツキを利かすのか!
 たしかにツケを打てるのが高いところに打った利点といえるが、
 この状況ではあまり価値を感じない。

 白の手は利きを確かめた手だが、左上隅方面からのヨセでは損になる。
 そして黒は左辺をヒライた。白も下辺中央に待望のヒラキ。

 これまでは白充分の進行と感じる。

 それにしても惜しい。どちらかが落ちるのか。
 一回戦の対局を見たときは関西で期待されてる社君の力は思って
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