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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第28話 新芽
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がんばってるんだヒカル」
「あかりと進藤君の家は近いんでしょ?
だったら北斗杯観に行くから予選勝ち抜いてねってお願いしたら?」
「べ、別に私……」「ふふ。ごめん。でも囲碁を続けてたら何時でも会えるよ」「そうかな?」
「ほら。進藤君の好きな囲碁を勉強して、結婚して、老後も一緒に打てたらーきっと素敵だなって思わない?」
「もうっ!久美子っ―!!」「きゃー!ゴメン。ゴメン。ごめんってば!!」
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H14年新春 桑原本因坊宅
床の間には南天が描かれた一幅の掛け軸、一輪の花が活けられている。
静謐な空気の中で桑原が本榧の足付碁盤に本蛤の碁石を並べる。
「コレが碁の神様だというなら四子は置かせてもらいたいもんじゃな」
「複雑怪奇、まさに現代に蘇った道策の呼び名に違わぬ力量の持ち主かと」
答えを返すのは着物に身を包んだ東堂シオン。
「ふむ。しかしワシとの実力差は恐らく二子といったところよ。碁の神様には遠いわ」
「にしても、おぬしが挑んでも勝てるかどうか――」
「なら、お聞きしますが桑原先生の栄光時代はいつですか? ……棋聖位6連覇のときですか?
史上最年長で本因坊になったときですか? ――私にとっては“いま”です」
真っ直ぐに桑原の目を見つめて東堂シオンが断言する。
「ふむ。それならば、おぬしにひとつ言っておこう。ここから先は……“空気など読むな”」
「周りの意見になど耳を傾ける必要などないわ。一番大切な事の判断は、おぬしの感性と心だけで行うのじゃ」
「金言感謝、それでは失礼いたします」
新春の挨拶に来た弟子入りを断った弟子のようなものが去った後、襖障子を開き寒空を眺めながら桑原が呟く。
「どのみち今の時代を作れるのは、“いま”を生きてる人間だけということか――」
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