760部分:第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその八
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第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその八
「そう。それだったら」
「予定通りいけますね」
「このまま」
劉備に孔明と鳳統が答える。
「それじゃあそろそろ車を停めて」
「それで」
「わかったで」
李典が軍師達の言葉に応える。
「ほなそれやったらな」
「はい、御願いします」
「それじゃあ」
こうしてだった。黄巾軍の真ん中でだ。車が停まったのだった。
「んっ、何だあの車」
「随分派手な車だな」
「だよな。天和ちゃん達の舞台か?」
「そうじゃないのか?」
彼等はただそう考えただけだった。怪しんでもいない。それを見てだ。
黄忠が満足した顔で話した。
「それじゃあ今からね」
「そうですね。それじゃあ」
「今からなの」
楽進と于禁が応える。そうしてだった。
すぐに劉備達が出てだ。黄巾軍の面々に青い飴やそうしたものを渡していく。
「飴?」
「黄色じゃないよな」
「ああ、何なんだ?」
「青い飴って」
彼等は受け取りながら怪訝な顔になる。三姉妹の飴は黄色だからだ。橙と言ってもいい。しかしその飴は青だった。そのことにまず戸惑いを見せた。
「何でだろうな」
「これってな」
「ああ。けれどな」
「あの娘達もな」
「いいよな」
飴を配る劉備達がだ。まず注目されるのだった。
「可愛くないか?」
「あの娘胸凄く大きいしな」
「っていうか天和ちゃんか?」
「そっくりだけれどな」
ここでもこう言われる劉備だった。
「何かおっとりした外見といいな」
「顔立ちだってそうだしな」
「髪の色とかは違うけれどな」
「それでも。そっくりだよな」
「声以外はな」
声でわかるのだった。何につけてもそれだった。
そんな話をしながらだった。彼等は次第に車に集まってきていた。それを見てだ。
李典がだ。楽進と于禁に話した。
「今やな」
「わかった。それではだ」
「動かすの!」
二人はすぐにだ。車にあった大きな取っ手を押した。するとだ。
車の上の部分が開きだした。それを受けて趙雲が飛び地面に着地した。
「危ないところだったな」
「あれっ、何時の間にか」
「華蝶仮面がいなくなってるのだ」
劉備と張飛は既に車の外にいる。それで着地した趙雲を見ながら述べた。
「何処に行ったのかしら」
「謎なのだ」
「まあわからない者はだな」
「わからないからな」
もうあえて何も言わない関羽と馬超だった。
「とにかくだ。はじまったな」
「いよいよな」
「うむ、そうだな」
趙雲は何食わぬ顔で関羽と馬超に話す。
「三人の歌がな」
「さて、どうなるか」
「対抗できるか?あの三姉妹に」
「そうだな。歌の実力は問題ない」
三人の歌唱力がだというのだ。
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