暁 〜小説投稿サイト〜
和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する
第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
第24話 シオンの碁
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るようになった。
 不満げに「面白いの?」と聞いてみたら、「今まで見たことないタイプの番組だから逆に新鮮で」って返って来た。
 低年齢層向けの番組なんだけど慣れてくると確かに面白い。ライブシーンなんか凄い。

 東堂シオンは中性的な話し方で塔矢アキラのような凛とした雰囲気を持つ女の子。
 王子様役もできそうなイケメンボイスで、たまに覗かせる素顔と可愛らしい表情が魅力的。
 かわいい・かっこいい・美人の三拍子揃ったアイドル。

 彼が待ってた相手は彼女なの?
 和-Ai-を破るのは彼女?私は?
 彼女が……東堂シオンが……桐嶋和なの?

 私、怖くて……とても聞けないよ。

 会見の後に彼が嬉しそうな表情で「それなら舞台を用意しない」と呟いた。


 彼女に会うのが怖い。

 けどNHNのテレビ対局は受けてしまった。

 今更、断ることなんてできない。


 私の手には彼に手渡された和-Ai-のノートパソコンがあった。

 彼から東堂シオンが和-Ai-の存在に気付くか試して欲しいと頼まれた。

 もし彼女が和-Ai-の存在に気付いたとしたら……。

 今まで和-Ai-に気づいたのは私だけだった。私と彼との二人だけの秘密だった。

 二人で共有してた世界が壊れてしまう。それがとても恐ろしい。


 私は彼女に勝てるのだろうか?

 早碁とはいえタイトル保持者を破り棋戦優勝を果たした相手に――。

 私は今まで和-Ai-は先生で、桐嶋和さんは心の師匠。
 二人に本気で勝とう思ったことなんて一度もなかった。

 けど、東堂シオンは和-Ai-に勝つつもりでいる。

 それは私が目指す天元の位よりも高い頂で……私が望みもしなかった舞台。

 足下が崩れるような気がした。

 私はただの囲碁棋士で、彼女は正真正銘のアイドル。

 ……勝てっこないよ。

 棋力も、魅力も、意志も、夢みる舞台の大きさも――。

●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇

side-Akira

 塔矢アキラは東堂シオンの優勝会見が終わった後、幼い頃の記憶を手繰る。
 父、行洋が世界囲碁選手権で連覇を重ねる東堂シオンを自宅に招いた日のことを――。

 彼女は置石3子で父と対局し勝利した。その時の自分は父とは置石5子で指導を受けていた。

 初めて見つけた同い年のライバルに対し目を輝かせながら「ボクと打とう!」と声をかけた。

 しかし「打たぬ!」と彼女に一蹴された。

 父に彼女と打ちたいと目を向けるが、父は黙って首を横に振った。

 後日、彼女と対局した碁を並べながら父が桑原先生と話し合っているのを盗み聞いた。

「私が彼女の碁から感じたの
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