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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
758部分:第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその六

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第六十一話 袁術、歌で仕掛けるのことその六

「私は華蝶仮面だ」
「あくまでそう言い張るんだな」
「だから私はだ」
「わかった。それで何でそこにいるんだ?」
「うむ、今は大勝負だからな」
「それでそこにいるってのかよ」
「いざという時は私も出る」
 こう話す彼女だった。
「無論そこの茶色の髪の少女」
「ひょっとしなくてもあたしのことか?」
「そうだ。御主も出るのだ」
 こう話すのだった。
「いいな、心構えはしておくことだ」
「歌えってのかよ」
「左様。御主も歌えるな」
「歌か。まあ歌うことはあるけれどな」
「私はサド、御主はマゾだ」
「それ何なんだよ」
「とりあえずだ。用意はしておけ」
 こんな話をしてだった。趙雲と馬超も乗る。そしてだ。
 李典の横にいる黄忠がだ。微笑んで彼女に話していた。
「何か面白くなりそうね」
「ほんまやな。賑やかになりそうや」
「ええ。歌だけではなくね」
「成功させなあかん策やけれど」
 それを踏まえてもだというのだった。
「それでも。何かな」
「わくわくしてくるわね」
「そうやねんな。うちこういうの大好きやねん」
 李典は満面の笑みでこう言った。
「賑やかで楽しいのはな」
「そうね。私も今はね」
「うきうきしてるんか」
「そうなのよ。楽しみだわ」
 黄忠もにこにことしている。乗る場所には于禁と楽進がいる。楽進は難しい顔になってだ。そのうえで于禁に対して尋ねるのだった。
「関羽殿も乗られると聞いたが」
「けれどまだなの」
「まだ物見から帰られぬか」
「春蘭さん達と一緒だったけれど」
「ううむ、御二人と共だと速いと思うのだが」
「もうすぐ出発なの。どうするの?」
「そうだな。来られぬのなら」
 楽進は腕を組み難しい顔になって述べた。
「出発するしかあるまい」
「仕方ないの?」
「残念だがな」
 こんな話をする二人だった。だがその二人に共に乗り場にいた張飛が言う。
「愛紗なら大丈夫なのだ」
「間に合われるか」
「そうなの」
「そうなのだ。愛紗は来ると言ったら絶対に来るのだ」
 関羽への絶対の信頼がここでも出ていた。
「だから安心して待っていればいいのだ」
「わかった。それではだ」
「待つの」
 二人は張飛の真剣な強い言葉に頷いた。そのうえで関羽を待つことにした。するとすぐにだった。その関羽が来たのだった。
「済まない、遅れた」
「いえ、時間通りです」
「問題ないの」 
 二人は傍らにあった水時計を見た。確かに時間丁度だった。
「それでは参りましょう」
「今から」
「うむ、それではな」
「けれどどうしてなのだ?」
 張飛がその関羽に尋ねた。

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