アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
ドキドキ!?温泉パニック!!A
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しない。が、それ故にフェイトは、ミミの想定を超える質問をぶつけてきた。
「その……自分が信じる何かが、他人を傷付けるかも知れないって分かったら、どうしますか?」
「………は、はい?」
いきなりのヘビー級な質問に、さしものミミですら返答に詰まる。フェイトも、見ず知らずの他人に、こんなことを突然話す自分自身に困惑している。
「そ、そういうお話は……気心の知れた方とするべきではないですか?少なくとも、出会って間もない私が触れていいとは思えないのですが……」
「そう、ですよね……私もそう思います。」
「だったら……」
「でも、」
話題を変えようとするミミを遮り、フェイトが言葉を続ける。
「友達には……その、ちょっと相談し難い内容で……見ず知らずの人の方が、頼りになるというか……何というか……」
「……ふむ。」
別にミミには、ここで馬鹿正直にフェイトの悩みに付き合う必要は無い。ましてやフェイトは敵方。わざわざ相談に乗ってやる義理も無かった。
が、ミミもミミの方で似たような悩みがあった。それが、ミミに無視という選択肢を遠ざけさせた。
「なら、私でよければ。」
「あ、ありがとうございます!」
そこからフェイトは、自身の悩みについて話していく。話題が逸れたり、途中途中で詰まったりしていたが、要約するとつまりーーーー
「……成程、つまり今の貴女は、自分が正しいのかどうかの自信が持てなくなっている、と?」
「多分……そう、です。」
確証は無さげに答えるフェイト。当のミミは、話を聞いている内に何が原因だったのか悟ってしまい、何とも複雑な心境だった。
(うーん……曲がりなりにも使い魔ですし、まさか主の言葉を否定もできません……)
幾ばくかの黙考の末、ミミは固まり切らない考えを、話しながら纏めるようにして語る。
「……多分、正しいとか……間違ってるとか……そういう事じゃ無いんでしょう。」
「………え?」
「貴女にとっても、お話にあった方にとっても、多分それは“やらなきゃいけない事”で、そこで正解や間違いを判断する事自体に意味がありません。正しいとか間違ってるとかいうのは、それが全て終わった後の結果に過ぎないんですから、判ってもいない結果の為に自分の選択肢を狭める必要も無いでしょう?」
「うーん……そうなの、かな?」
「ええ。………行動に足る理由があれば、事の是非はオマケなんですよ。だから、下手にグチグチ迷わないのを私はお薦めします。……って、ついさっきまでグチグチ悩んでた私が言えた事ではないですが。」
「……ラビさんも?」
「ええ。………私はある御方に仕えてるんですが、先程少々一悶着ありまして……でも、もう大丈夫です。貴女の
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