アージェント 〜時の凍りし世界〜
第二章 《暁に凍る世界》
ドキドキ!?温泉パニック!!A
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っ!?え、な、何!?」
突然の事に戸惑うフェイトを余所に、目的のある物を口で挟むと、勢いよく顔を引っこ抜き、そのままフェイトの腕から抜け出す。
その口にくわえていたのは……フェイトの下着、つまりブラである。
「……え、な、あ……」
「え、えっと……?」
「な、何や……?」
呆気に取られた三人。その隙を逃さず、ミミは正しく脱兎と成りて走り去った。
「え、ええ〜!!?」
胸元を押さえて立ち竦むフェイト。他の二人も、予想外にも程がある事態に、直ぐには動けない。
「と、取り敢えず追い掛けよう!」
「せ、せやね。フェイトちゃんは部屋で待ってて。」
「あ、二人共!」
フェイトが声を上げた時には、二人はもうミミを追って駆け出していた。一人残されたフェイト。部屋で待っててと言われても、羞恥が邪魔をして、思うように動けない。
「ど、どうしよう……」
フェイトが途方に暮れたその時だった。
「……どうかされたんですか?」
背後からフェイトに声を掛ける女性がいた。
使い魔であるミミは、当然魔法生物だ。故に、原型である兎の姿は変えられなくとも、人間形態の容姿は、ある程度イメージ次第で変えられる。
今、フェイトに話し掛ける女性もまた、ミミであった。但し、腰まで届いていた長髪は肩の辺りで揃えられ、背も二回りほど高くしている為、受ける印象はかなり違う。普段が『清楚系メイド』だとすれば、今は『スポーティーなお姉さん』といった感じだ。
「ふぇ!?え、えっと……その……」
まさか兎に下着を盗られた、などとは言えず、言葉に詰まるフェイト。その様に、自分の策がうまく回っている事を確認したミミは、さらに一歩踏み込んだ。
「フフ……言わなくてもいいですよ。大方イタズラ兎にでも出くわしたのでしょう?」
「………え?」
「あの子、昔からこの辺に住み着いてて、時折、旅行客に近付いては持ち物を盗ってくんです。」
勿論、自作自演、嘘八百である。しかし、目の前の彼女が下着ドロボーその人であるとは知りもしない、現地の人でもないフェイトには、その話に疑う余地を見出だせなかった。
「まあ、あの子の住みかは分かってますし、少ししてから探せば見つかるでしょう。そうですね……それまで少し、お話でもしませんか?」
かくして、ミミは二つ目の策をわりとあっさり成功させるのだった。
「あの……あなたの、お名前は?」
「私ですか?ラビと言います。貴女は?」
「ふぇ、フェイト・T・ハラオウンです。えっと……その、ラビさん。変な事聞いてもいいですか?」
「構いませんよ。」
ミミ改めラビの擬態は完璧で、フェイトは相手の事を疑いも
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