蒼雷の恋慕 FINAL
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てしまう。
そのような相手から……大切な親友から最初で最後かもしれぬ恋を我は奪うのか?
きちんと恋愛が理解できておる我はまた別の恋をするかもしれん。
だがきちんと理解できておらぬレヴィは、もしかすると今後特別な好きという感情に目を向けなくなってしまうかもしれぬ。ならば……
ここで我がショウへの想いを自覚させぬようにすれば……
待て……何を考えておるのだ!?
友を傷つけないように誘導しつつ自分が甘い汁を吸えるようにする? ふざけるな。そんなことが許されるはずがない。
もしも仮にそれで上手く事が運んだとしても、きっと我は後悔するはずだ。
我の恋は複数の友を傷つけなければ成就はせん。ならば成就した際に少なくとも我が心から幸せそうに笑っていなければ、敗れた者に顔向けが出来ぬだろう。
我はディアーチェ……ディアーチェ・キングス・クローディア。
どんなことも正々堂々真正面から……などと言うつもりはない。だがこの戦いに関してはぶつかり合って勝たねばならぬ。そうでなければ我は幸せにはなれぬし、敗れた際にも心から祝ってはやれん。
「レヴィよ……貴様は本気でそうなりたいと望むのか?」
「え、うん……そうなったら嬉しい。まあ今すぐは無理なんだろうけど。この前ショウに結婚しようって言ったら今のボクじゃダメって言われたし」
「え……そんなこと言っちゃったの?」
さすがの我もびっくり。思わず素で普通に聞き返してしまった。
いや落ち着け、落ち着くのだ。さすがにこれ以上突拍子もないことは言われないはず……言われんよな? さすがにプロポーズしたってことよりも上のことなんて言われないはずよな。
それよりも上のことなんてあやつと身体を重ねたとかくらいしか思いつかんし……もしもそうなってたら子供の作り方がどうとか聞かないはず。故にそのような事実はあるはずがない。
「その話はあとで聞くとして……よいかレヴィ、貴様が思っておるほど結婚までの道は簡単ではない」
「大丈夫、それは分かってるから」
「分かっておらん! よいか……貴様がショウと結婚したいと思うように貴様以外の者もそのように思っておるかもしれぬ。それは貴様の身近な存在かもしれぬし、赤の他人かもしれん。だが少なくとも覚悟が必要になる」
「覚悟……?」
「そうだ。あやつに選んでもらえるのはひとり……」
住む世界によっては複数かもしれんがあやつは性格的に選ぶのはひとりであろう。
「故に時としてあやつか他かを選ばなければならんことにもなるかもしれん。今まで付き合いがあった者とぶつかって傷ついたり傷つけたりするかもしれん。場合によっては今後顔を合わせることさえなくなるかもしれん。そんな苦難を受け入れ乗り越えていく覚悟が必要になるの
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