蒼雷の恋慕 FINAL
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だ? 聞いた限り小鴉があらかた話しているように思えるのだが?」
「それはそうなんだけど……まだボクの中でしっくり来ないことも多くてさ。王さまと話したら良い感じにまとまるかなと思って」
なるほど……まあ線は通る話だ。知識を得たところで自分ひとりでは落とし込めぬ部分もあるであろうし、落とし込めるのならば色恋に疎くはないであろう。
故に我がすべきことはレヴィの話を聞いて考えをまとめさせてやること……本来ならばレヴィの母君が行うような立場のように思えるが、我は昔からこのような立場に居たのも事実。また家族よりも友の方が話しやすいこともある。あまり立場がどうのと考えぬようにしよう。
「あっ……」
「どうしたのだ?」
「いやその……はやてんが唯一教えてくれなかったというか、王さまに聞けって言ってたことがあって」
小鴉が我にだと?
長年の経験からか嫌な予感しかせぬがレヴィにとって大切なことかもしれぬし、レヴィが納得するためには必要な話なのかもしれぬ。ここは覚悟を決めて聞くしかあるまい……
「疑問が残ったままでは考えをまとめるのに余計に時間が掛かるかもしれん。故にさっさと申してみよ。我に答えられることなら答えてやる」
「ほんと!? じゃあ遠慮なく。えっとね、子供って何をしたら出来るの?」
「……うん?」
「だからね、子供ってどうやったらできるのかなって。精子と卵子と出会って受精卵になる。それで着床したら徐々に子供になる……みたいなことは分かってるんだけど、どうやって女性の身体の中に精子が入るのかなって。器具とか使ってやってる人はそんなにいない感じだし……」
レヴィの顔を見る限り本気で悩んでいるようだが、我の方が頭を悩ませているのは言うまでもないだろう。
話を聞く限り……レヴィが聞きたいのは男と女の営みに関してということ。つまりセッ……いやいやいや別に言葉にする必要はない。言葉にしたところで英語では性別という意味でしかないのだからな!
し、しかし……我はどうしたらよいのだ。
レヴィの今後を考えれば教えておくべきことだ。レヴィもいつかは恋をし、結婚して子を産む。相手側がリードしてくれるかもしれぬが、それでも全く知識がない状態で臨むのは恐怖心が増すかもしれん。一般的に初めての時は痛みを伴うと聞くからな。
だが……これを説明するのは死ぬほど恥ずかしい。我が母君のような年代ならば営みに関しても出産に関しても経験があり、なおかつ子供の成長のためだとすんなりと説明できるのかもしれん。
けれど我はレヴィとは同い年……しかもまだセッ……どころかキスの経験すらない生娘なのだぞ。
小鴉め……何てことを我に放り投げてくれたのだ。まあこちらに投げる気持ちは理解できるし、立場が逆だったならば我もそうしていたとは思うが。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ