蒼雷の恋慕 FINAL
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所は選ぶがな。誰にでも聞かれて良い話でもないが故に。
大体ヘタレなのは貴様の方だろう。
昔は散々否定しておったくせにずっとあやつに片想いしておって、そして今では自分の家に招いたり、デートに誘ったりとアプローチはしておるくせに未だに告白には至ってはおらぬ。ヘタレというなれば貴様の方であろう。
……まあ……アプローチするだけ我よりはヘタレではないかもしれぬが。
我はデ、デートに行こうなどと誘えぬし、言えても買出しを手伝ってもらったり……弁当を差し入れてやるくらいだ。あやつと同じ土俵に立っているとも言えぬ。
そういう意味ではあやつの積極性(一部ヘタレだが)は認めておる。しっかりとした恋バナなんてせぬし、あやつを目の前にしたら意地でも言わぬ気がするがな。
しかし……どうしたものか。
もう我らは学生ではない。早いものならばすでに結婚し子供が居てもおかしくない年齢だ。まあ結婚せずとも子供が居てきちんと育てておる者なら我の共にも居るのだが。
我の見立てが正しければ……小鴉以外にもあやつに気がある者は多い。面と向かって聞くと否定しそうだがなのはやフェイトはそうであろうし、シュテルも気があるように思える。確信が持てぬ部分もあるが……あやつのショウに対する態度は他の者と比べて明らかに違う。
だがあやつは仕事柄誰よりも有利な立場に居る気がするし、なのははヴィヴィオがショウを父のように慕っていて実際に父親になってほしいと願っておるだけに何かと誘える立場だ。フェイトは仕事が仕事だけに会えぬ時間も多いが、本気で会いたいと思えば凄まじい速さで仕事を終わらせそうではあるし、一部ではあやつも積極的だからな。昔から水着などは大胆なものが多かったし……覚悟を決めたら最も手ごわいかもしれぬ。
「王さま?」
「べ、別に何でもない。百面相だってしておらぬぞ!」
「ボクは何も言ってないよ。百面相はしてたけど」
「しておらんと言ったらしておらん!」
「分かった、分かったから落ち着いて。ボクが悪かったよ!」
まったく……どうして貴様はそうさらりと余計なことを言うのだ。悪気がないのは分かるが、悪気がないからこそ余計に悪い時もあるのだぞ。我は貴様の今後のために怒っておるのだからな。
……いや正直に言おう。迂闊に何か言われるとポロリと変なことを言ってしまいそうだったが故に誤魔化したのだ。今のはレヴィよりも我が悪い。
「いや……我こそすまぬ。……こほん、気を取り直して話をするとしよう。眠気のない内に答えた方が良いだろうからな」
「うん、眠たくなったらせっかく聞いても頭の中に入って来なかったりするし」
それも理由ではあるのだが……寝ぼけて変なことを言ってしまっては取り返しがつかぬからな。レヴィは一般的なことならともかく、今から話そうとしてい
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