1.Nの疾走/探偵で走り屋
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五年後。
私、博麗霊夢はとある場所に訪れようとしていた。そこは人が集まり生活している人里のはずれた場所にある一軒の家。ちょうど家の博麗神社と人里の中継地点にある。中を見たときに一目で外側の家だとわかるような内装だった。だからか、取り合えずは博麗神社の預かりとなったのだ。
人里、いや、今幻想郷全体に二つの噂が立っていた。
一つは、行方不明者がこの幻想郷全体で発生しているということだ。人だけならば妖怪の仕業と片付けられるがあいにくその妖怪すらも行方不明となっている者もいるのだ。さらに、その行方不明となった者が謎の妖怪となり夜な夜な人を襲っているという噂だ。
そして、二つ目がその妖怪を倒しているという男がいて、探偵を名乗っては困ってる人を助けているというのだ。
これだけならばまだ良い、前者の場合はまだまだ調べが進んでいないし後に対処をすれば良いだけだ。だが問題なのは後者だ。その探偵の居場所が割れてしまったのだ。しかもそこが、何故か家の預かりのその家なんだから。
「ほんとにここにいるんでしょうね」
私は隣にいる白黒の魔法使いに話しかける。
彼女は霧雨魔理沙。通称『普通の魔法使い』。何故彼女に聞くのかというと何を隠そう、この情報をくれたのが魔理沙だからだ。
「ああ、間違いない。何回かここに来たしな」
魔理沙の答えを聞くと、後ろのから唸るような低温が響いた。それはだんだん近づいてきて、魔理沙が退くように促していたので一応素直に退いた。すると、ちょうどそこにシルバーの車がなかなかのスピードで家の前に止まった。形をみる限りS2000、だったかしらね。
滑らかに減速し、停止した際後ろに引っ張られる反動がほとんどなかった。
車の側面が開き、そこから男が出てきた。
「よう、久しぶりだな」
魔理沙の陽気な挨拶に男は私たちに気づいたのか、男は少し微笑み挨拶を返した。
「久しぶりだな、魔理沙。そちらさんは新顔だな。家に何か用か?」
言葉の後に男は、用がなけりゃこねーか、と言い『黒井探偵事務所《あらゆる事件をハードボイルドに解決》』と書かれた家に入れてくれた。
彼がお茶を煎れて、彼も座り一息ついたところを見図り今日この家を見てから疑問に思ったことをぶつけた。
「ねえ、ハードボイルドってなに?」
私の質問に笑みを浮かべた彼は席を立ち分厚い本を本棚から取り出し私たちの前に置くと、語り出した。
「いかなる事態にも、心揺れない。男の中の男の生き方。それが─────」
長くなりそうだ。そう判断した私は今日ここにきた本題にはいるため持ってきた物の用意を始めた。
「───ハードボイルドだ」
「これじゃない、これでもない」
「霊夢…………せめて最後まで聞いてやろうぜ」
魔理沙の言葉を聞き流し男を見ると苦い表情
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