シンキングファストボール
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「オオッ!!」」」」」
準決勝第二試合。第一試合が5回コールドだったため予定よりも若冠早い試合開始となっている。
音ノ木坂学院は先攻のため、整列後1番の穂乃果と2番の凛がヘルメットを被り、バットをスイングしながらベンチを出る。
(この大会では3試合中2試合に登板していまだ無失点。確かにイニングは4回と少ないけど、あのボールで無失点ていうのはちょっとな・・・)
遅いボールは打ちにくいと言われているが、110km弱なら女子野球では平均レベル。むしろ1番打ち頃のボールである。それなのにここまで自責点どころか失点もないのは剛も不思議に感じていた。
「お願いします」
審判に一礼して打席で構える穂乃果。相手は右のスリークウォーター。特に投球フォームに癖があるわけでもないので、先頭の穂乃果に特に指示は出していない。
ピュッ
「ストライク!!」
初球は無難にアウトローのストレート。それを見逃し1ストライク。続く2球目・・・
(また?)
初球と同じような球に打ちに出る穂乃果。捉えたと思ったその瞬間、バットから響いてきたのは鈍い音。
「ショート!!」
ショートへのボテボテのゴロ。それを軽快に捌かれ一塁へ転送、アウトとなる。
「あら?高坂さん初めて一打席目を凡退したわね」
「そうなのか?」
「はい!!ここまで全ての試合で一打席目は出塁してました!!」
それも全てヒットでの出塁をしてきただけに今の当たりはどうにも腑に落ちない。試合を観戦するUTX学園の面々も不審な表情を浮かべていた。
「ごめ〜ん!!詰まったみたい!!」
ベンチへ戻ってきて開口一番謝罪する主将。ベンチからは大丈夫と声が出るが、剛の眉間にはシワが寄っていた。
「穂乃果、どんな感じだった?」
「それが・・・普通のストレートだと思ったんですけど、なぜかバットの先で打ってしまったみたいで・・・」
本人もどういうわけかわからず回答に困る。それを受けて剛はもうしばらく様子を見てみることにした。
ガキッ
2番の凛が1ボール1ストライクからの3球目を打ちに出るが、引っかけてピッチャーゴロに倒れた。
「ニャニャ?なんであんな当たりに・・・」
ガッカリと落ち込んでいる凛。タイミングはバッチリだったのになぜか打球は弱々しい当たり。しかし、剛はその理由が何となくわかってきていた。
(真姫までは見ておくか。俺の予想が正しければおそらく真姫なら大丈夫だろう)
何を根拠にそんなことを思っているのか素人目にはわからない。その3番の真姫への初球。
カ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ