シンキングファストボール
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「なぁ、みんな。UTXのクリンナップ、裏でなんて呼ばれてるか知ってる?」
「「「「「え?」」」」」
「A-RISE・・・今まで何度も奇跡を起こしてきたことからそう呼ばれてるんよ」
これまで幾度となくピンチを救い、逆転劇の主役になってきた3人組。彼女たちに敬意を評し、女子野球界では彼女たちをそのように呼ぶようになっている。
「そのうちの一人、綺羅ツバサが何て言ったか知ってる?「私たちが奇跡を起こしたんじゃない。みんながそれをさせてくれたの」って」
野球と言うスポーツではチームワークが大きな武器になる。チームの軸になる選手はもちろん存在するが、その一人では勝てない。全員で力を協力することが何よりも重要だ。
「うちらは他のチームよりもできてから日が浅い。こんなところでケンカしてちゃ勝てへんよ」
「わ・・・わかってるわよ」
UTXの強さを目の当たりにしわずかにチーム間に生まれた歪みを容易く取り除いた希。彼女は互いに顔を見合せ笑顔になっている仲間たちを見て、ニッコリと微笑む。
「さ、早くアップしよ。穂乃果ちゃん、掛け声お願いね」
「うん!!」
「変えてきたな、ピッチャーを」
現在シートノックを行っているのは先攻を取っている音ノ木坂学院。その守備陣とブルペンに入っている髪の長い少女を見て、すでに試合を終えているUTXのA-RISEはそう話していた。
「ライトの園田さんをピッチャーに、エースの小泉さんをそのままライトに入れるのね」
「確かにあのライト、肩良かったものね」
ブルペンで前日まで投げていた投手よりも速いストレートを投じるサイドスロー。一方の千葉経済学高校のブルペンにいるのは・・・
「千葉経済学はエースの須川じゃないのか。決勝に温存か?」
「昨日投げてたからじゃないの?9回を完封してたはずだし」
「よく見てるわね、ツバサ」
あんじゅにそう言われ得意気に胸を張る。その子供っぽい仕草に頭を撫でると、怖い顔で睨まれますます頭を撫で回すあんじゅ。
「あの投手のデータは?」
「短いイニングを投げてはいますが、先発では初めてですね・・・球種も110km弱のストレート中心でこれといった変化球もないようですが・・・」
だがなぜかここまで無失点を続けているらしく、一応データを集めてはいるらしい。しかし、その理由はいまだに解析できていないらしい。
「この試合で何か分かればいいんだが・・・」
「まぁ、わからなくても何とかできるでしょ、私たちなら」
「ふふ、そうね」
「整列!!」
「いくよ!!」
「「「「
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