750部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその十
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第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその十
「貴殿のそれは」
「左様。歌舞伎よ」
「中々面白いものだな」
「その真髄はかなり果てにあるにしても」
いささか芝居がかった動きと共にだ。狂死郎で話す。
「目指しておる」
「目指しているのだな」
「そうじゃ。それが我が道なり」
姉の方に対しても述べたのだった。
「歌舞伎の道よ」
「歌舞伎か。面白そうだな」
「今度演じるが見えるか?」
「うむ、それではな」
「喜んでそうさせてもらおう」
姉妹で応える。そうした話をしているうちにであった。
楽進がだ。巨大な鉄の鍋を持って一行の前に出て来たのだった。
「皆、待たせたな」
「いや、今来たばかりだからな」
「待ってはおらん」
ガルフォードと王虎がこう彼女に述べた。
「それよりもだよ」
「御主も早く座るのだ」
二人が言うのはこうしたことだった。
「それでな。皆でな」
「楽しく食おうぞ」
「そうか。それではな」
いつもの服の上に赤い三角布を被り白いエプロンを着けている。それが今の楽進の格好だった。
その姿を見てだ。秦兄弟がこんなことを言った。
「へえ、楽進さんもな」
「意外と家庭的なところがあるのですね」
「べ、別に私は」
そう言われるとだ。顔を赤くさせる楽進だった。
「そうしたことは。別に」
「こんなこと言ったら照れるところがな」
「さらにいいのです」
まだ言うこの兄弟だった。
「いや、強くて可愛いってな」
「しかも料理上手とは」
「褒めても何もでないのだが」
その二人にだ。困った顔で返す彼女だった。
「それでも言うのか」
「何度でも言うぞ」
「事実ですから」
まだ言う兄弟だった。
「俺も料理には自信があるが」
「兄さんのそれに比肩しますね」
「ああ、そういえばあんた」
李典が秦崇雷に対して述べた。
「料理の腕めっちゃ凄かったな」
「そちらには自信があるからな」
「何かうちの陣営って料理上手多いな」
「例外もいますがね」
秦崇秀は何気に夏侯惇を見る。
「まあ誰とは言いませんが」
「どうしてそこで私を見る」
「いえ、別に」
「御主、前から思っていたがだ」
夏侯惇は秦崇秀に言った。その料理を前にしたうえでだ。
「性格が悪いぞ」
「いや、口ではないのか?」
夏侯淵はそれではないかというのだった。
「この者の毒舌は。桂花よりも上だからな」
「あ奴も常に言い負かされるからな」
「あの方は詰めが甘いですから」
秦崇秀は微笑みながら荀ケに話した。
「言い負かすのは簡単です」
「つうとこいつはや」
李典が彼の話を聞きながら呆れながら話した。
「桂花より性格が悪いんやな」
「性格か?」
「それなのか?」
ガルフォ
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