戦姫絶唱シンフォギア無印
生きるのを諦めない
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いに行くのが良いんじゃねえか、それにリディアンに通う学徒としてこれは勉強の一環だ……出された課題のことは忘れる。
コンビニの前まで走ると、膝に手をついて息を整える。
だからこそ気づいた、静か過ぎる。
「……?」
夕方にしては周りから音がしない。
人通りが少ない時間と言っても限度がある。
その時、視界の端に黒い風が通ったのに気づいた。
「――――ッ!?」
周りを見れば黒ずんだ灰のようなものが散乱している。
二年前に見慣れた光景、ノイズに炭化された人たちの末路だと気づくと胃から酸っぱいものが逆流するのがわかる。
膝をつきながら吐き気を我慢する。
全身が震え、脳内にあの日の惨状がフラッシュバックする。
「きゃああああああッ!!」
子供の悲鳴が聞こえた。
その瞬間、震えが止まり俺は走り出していた。
大通りを走って、声の聞こえた方角に進むとまだ小さい女の子が尻もちをついて怯えていた。
俺は駆け寄り、膝をついて女の子の目線に合わせる。
「大丈夫っ!?」
「ノ、ノイズが……いきなり……」
本当にいきなりだったはずだ。
ノイズの出現は規則性はなく突然現れ、突然人を襲う。とっさに逃げられる人なんていないし、たとえ逃げだとしても槍上に変化したノイズに刺し貫かれて死ぬ、というのはよくある話だ。
周りを見て、ノイズがいないことを確認すると女の子をおんぶして俺は近くのシェルターを目指す。こういうノイズ対策にシェルターを用意するのは各国でも当たり前のこととなっており、リディアンに近いこの街は特に力を入れられている。
「大丈夫! へいき、へっちゃらだ! お兄ちゃんがシェルターまで連れてってやる」
「マ、ママが、ママとはぐれちゃって」
ピタリと足が止まる。
女の子一人なわけないと思ってたが、ノイズが出現して混乱していたところはぐれてしまったらしい。
「はぐれた場所は覚えてる?」
「あっち!」
路地裏を指差した女の子の指示に従い、俺は路地裏に進んでいく。
だが、逃げるべきだったと即座に後悔することになる。
「ちっ」
「お、お兄ちゃん」
路地の両側、壁にみっちりといるノイズたちに俺は舌打ちをする。
ふと入ってきた路地の入り口を見るとどこにいたのか、大量のノイズが迫ってきていた。
「目と口を塞いでろ!!」
俺は走り出し、目の前の川に飛び込む。
水を含んだ服が重たく、背中の女の子が重しになるが気合で対岸まで泳ぎ切る。
「お兄ちゃん!」
「喋ってると舌噛むぞッ!」
後ろを振り向かずに全力で走り抜ける。
この先は工場、シェルターなんかない。だったら俺が取るべき行動は一つしか無い。
このままノイズが
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