暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギアR
戦姫絶唱シンフォギア無印
生きるのを諦めない
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肉も増えた……妙な薬でも打たれたのかと思ったがんなことはない。
 背中合わせに未来とだべりつつ、雑誌を漁っていると俺は裏表紙の宣伝を見て目を輝かせた。

「やっべ、明日CD発売だ」
「……本当に好きだよね、風鳴翼さん」

 ジト目で見られるが、別に男女の好きはないと何度も言ってるんだがなぁ。
 あのライブ以降、俺はツヴァイウィングのファンとなり未来に貸してもらったCDを全部聞いて、新作は全部買っている。
 ただ、未来はあの事件以降、ツヴァイウィングを聴くのをやめた。
 三ヶ月ほど昏睡して目覚めたとき、泣きながらすがりついてきた未来の姿は忘れられない。

『ごめ、ん、ごめんな、さい……ごめんなさい』

 行ったのは俺の意思だと何回も言ったが、頑なにツヴァイウィングの……風鳴翼の歌を聞こうとしない。
 まぁ、リディアンに行く! と言ったときは凄い反対されたが最終的についてくる形で一緒に入学したとき、一生未来とは離れられないんじゃないかと思ったときもあるが、んなことはない。
 高校に入ってからは魅力が増して来たと思うし、街を歩けば結構声をかけられるくらいには美少女だ、今に彼氏が出来ていなくなるさ。

「他意はないぞ?」
「はぁ、わかってるけど……わかってるけどなんでこんな唐変木のことを――」

 時々暗くなる未来がよくわからん。
 首を傾げながらも、ドレスを身にまとう風鳴翼の写真を見ながら俺はあの時の事を思い出す。
 青とオレンジの防具を着て、武器を手に歌いながら戦うツヴァイウィングの姿。
 だが病院内でも退院してからもTVで流れたのは、負傷した人たちや亡くなった人たちのことばかり、戦ったなんてのは三流のゴシップくらいなもの、他はそんな情報はない。
 俺の夢か幻なのか、と思ったが左胸に残る傷と心臓付近にある異物が何よりの証拠だ。
 あの時、奏……いや奏さんから飛来した破片で傷ついたモノ。心臓付近に食い込んだ破片は手術で取り除くのは不可能と言われた。
 俺は知りたい、あの日何が起きたのか。だからこそ、リディアンに入学したってのに。

「風鳴翼、全然姿見えねえな」
「トップアーティストだし、色々とTVにも出てるみたいよ。そんなにあの人のこと気になるの?」
「ならないって言ったら嘘になるだろ。先輩で有名人だぜ?」
「ふぅん……あっ、そろそろ消灯時間みたい、部屋に戻らなきゃ」

 チラホラと部屋に戻る生徒が増えてきた。
 初日だから課題もないし、ゆっくりしてもいいが何かと校則が厳しいリディアンで目をつけられるのは……うん、俺は遅いけどやめたほうが良いだろう。
 未来に明日の朝食の時間を決めつつ別れる。
 女子寮は二人一組らしいが、男子寮は一人一部屋と女子寮より手狭だが中々に居心地がいい空間だ。まぁ、共
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