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戦姫絶唱シンフォギアR
戦姫絶唱シンフォギア無印
生きるのを諦めない
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「――――♪」

 歌うのは嫌いじゃない、そう感じたのはあの事件が終わってリハビリをしていたとき。
 辛くて苦しくて、でも頑張りたいときにフッと胸に思い浮かんだ歌詞を口ずさむと勇気を貰えた。
 いつしか病院の人たちからももっと歌ってくれと言われたりしたが、一時期歌わない時期もあった。
 その話はまぁ、別の機会にして――――。

「にゃぁう」
「ッ!?」
「……誰ですか?」

 ピアノの音が止まり、先生が青筋を立てながら教室を見渡す。
 みんなが顔を見合わせながら疑問符を浮かべてるとき、隣に座っていた未来はあーあといった風に額に手を当てる。
 あっ、バカ動くな!! や、やめ……あばばばばっば。

「にゃぁ」
「……立花くん? その白いモノはなんですか?」

 制服からひょっこり顔をだす白猫に、俺は表情を引き攣らせる。
 対象的にニコリと完璧な笑顔を浮かべる先生に、俺はココロの中で十字を切りながら答える。

「えーと、マスコット?」
「立花くんッ!!」

 やっぱ怒られますよねえええええええええ!!
 この後ガミガミと怒られることになるが、猫を助けたこと、授業初日で教科書を他の人に貸していたなどがありなんとかなった。


「初日からこれとか最初から最後までクライマックスだぜ…やっぱ呪われてるよなー」
「いつものお節介のせいでしょ? それに教科書貸すのも度が過ぎてるの、普通初日で同じクラスの子に貸す?」

 妙にふくれっ面な未来に苦笑しつつ、俺達は女子寮と男子寮の境界線の共有スペースでだべっていた。
 私立リディアン音楽院高等科、設立10周年を迎える若い学校であるが音楽分野では結構の顔を利く学校、それが俺の通う学校だ。
 ちなみに今日は入学初日、軽いガイダンスと交流、そして歌の練習があったのだが……まぁ、人助けと言うか何かが困っていると放っていけない俺の悪い癖(未来談)が早速発動した。
 猫が木から降りられず困っていたところ、小さい頃培った木登りスキルを発動させ華麗に猫を……救えたならよかったが、地面に激突しつつキャッチ。救助に時間をかけすぎて、懐に猫をしまって授業を受け、冒頭のアレになったと言うワケダ。

「教科書は別に、未来から見せてもらえばいいじゃん」
「全く、勘違いされたって知らないよ?」

 なんの勘違いだ、なんの。
 妙に棘がある未来は今日に始まったわけじゃない。時々、こうやって棘を作る、未だになんでこうなるのか分からないが多分、無闇矢鱈に人助けをする俺を心配しているのだろう。
 今日だって木から落ちるという下手したら怪我をしていたかもしれないものもやったが、傷一つどころか痣すら出来ていない。
 あの事件以来、妙に傷が癒えるのが早いし、体の調子もすこぶる順調、おまけに筋
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