第二章 汚された草競馬大会-2-
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神妙な面持ちでおばさんは口を開らいた。
「実はねぇ…実家の牧場が危ないらしいのよ」
「あぶない?」
「スパイかっ!」
「いや。そううゆ危ないじゃなくてね…」
なにかまたとんちんかんな、意味の分からない事言いだすランファ。
耳元で、話が進まないから黙っててと叱りつけおばさんの話の続きを聞く。
「…経営が危ないらしいのよ」
「赤字?」
「うーん…どうもそうみたいなのよねぇ。謝金取りに追い回されて挙句の果てには農地を全部没収されそうなんだよ」
「それは…大変ですね」
おばさんははぁぁぁと今日で一番大きなため息をはいた。そこまで追い込まれているのか…。
宿の壁に貼られている草競馬大会のビラを物欲しそうな顔で眺め
「はぁー今回の草競馬大会の優勝商品の農地があれば……なんとかなるんだけどね…」
といいまたはぁぁぁと大きなため息。
「んー? なら出ればいいじゃんっ」
「そんな簡単な話じゃないんだよ…」
「えぇーーーなんでぇ」
「あたしはこんな歳だし…。親は去年の大会で無理して腰痛めてから馬に乗れなくなっちゃったし…」
「あれま」
「だからどうする事も出来ないのかねぇ…」
そしてまたはぁぁぁと大きなため息。なんだかおばさんが可哀想に思えてきた、ルシアは一大決心をする。
「あのっ!」
「ん…なんだい?」
「僕に馬を貸してくださいっ!」
「え…いいけど……いったい何に使うんだい?」
「…おばさんの代わりに僕が草競馬大会に出場します!」
「「「えぇーーー!!?」」」
ルシアの言葉に三人は驚愕した。
その驚きの声は宿の外にまで響き渡り、町の住人が何事? 何事? 少し騒ぎになったが宿の授業員たちが上手く治めてくれたのでそこまで、大きな騒ぎにはならなかったそうだ。良かった、良かった。
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