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転生も転移もしていない私が何故ファンタジーの世界で魔王と呼ばれる事になったのか。
更に夜はふける
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 ネコミミ少女との衝撃の邂逅後、私は現在目を覚ましたラボへと戻り、今後の色々に於ける対策を練る為情報収集と現状把握に努める事にした。


 そんな私の前にはスヤスヤ眠るネコミミ少女、ぱっと見小動物然とした存在に夜も更けて寒いだろうと、私は白衣をタオルケット代わりに掛けてやる。


 色々な事があったが取り敢えず心を落ち着ける為に首をゴキゴキと鳴らしてモミモミしつつ、盛大に溜息を吐いて改めて周囲を見渡してみる。


 白衣を着て、白衣を前後逆にエプロン風に腰に巻き、そして白衣を床に敷いて佇む私。


 何故白衣がアジト(仮)の構成要素の殆どを占めているのかというのは考えないでおこう、私自身まさかこのラボ跡地で無事だったのが白衣と私だけという結果になっているとは想定外だったから今も困惑している。


 寧ろ現在先程のネコミミ少女との邂逅の際、頭に響く声に従ってやらかしたあれこれの方が精神的にキている状態なので、部屋と白衣と私というどこぞの歌謡曲染みた状況は余り気にする余裕が無い。


 確かに私は焦っていた、何せ知らない場所に白衣一枚で放り出され、頭の中には謎の声、それだけでも充分混乱する状態なのに、とどめにネコミミ少女に魔王扱いされれば誰でも混乱するとは思わないだろうか?

 そんな状況で冷静な判断が出来ず、つい頭の声に従って『我を崇めよ』とか想像を絶する馬鹿な言葉を吐いてしまったとしても、致し方無いとは思わないだろうか?

 寧ろその言葉を聞いて平伏するネコミミ少女を見て我に返ったのは内緒の話だ。


 それから色々があって夜も更けたからと半壊したラボに戻ってきて、内部を改めて物色したら追加の白衣が4枚という結果に、喜んでいいのか呪って良いものか微妙な心境になったのはまぁどうでもいいだろう。


「で? 頭の中でわちゃわちゃのたまうお前は、現状の説明をいつしてくれるのだ?」

『あ、やっと聞く気になった? っとその前に言っておくと、僕は君の脳にプリインストールされているソフトを介して通信している状態なだけで、僕自身は別の場所に存在してるからね』

「……別の場所?」

『そう、具体的な位置を説明すると、君から高度36028m上空、静止軌道に浮ぶ人工衛星『魁』に本体プログラムを格納している状態なんだ』

「衛星魁……と言うと、確か政府主導で行われた高速通信網整備計画関係でその名を聞いた覚えがあるな」

『良く覚えてたね、まー打ち上げはしたものの試験運用段階だったからガワは立派でも中身はスッカスカ、お陰でその辺りは整理して僕の記憶容量に転用出来たからいいんだけどさ、で、君の携わったプロジェクトもこの通信網に乗る筈だったから、ある程度その辺り知っててもおかしくは無いよね』

「…
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