747部分:第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその七
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第六十話 楽進、辛い料理を作るのことその七
「本当にお互いに闘えばね」
「どちらもですね」
「死ぬわ。確実にね」
「けれど今は」
「ええ。草薙と闘わないって言ったわね」
曹操は八神のその言葉について言及した。
「確かにね」
「では今は」
「あの男尋常な危険さではないわ」
そのことはだ。曹操は嫌になる程わかった。流石に彼女の目はそれだけのものを見抜いていた。
「けれどね」
「嘘はですか」
「それは言わないわ。絶対にね」
「じゃあ言葉は」
「嘘を言わないっていうのは信じられるわ」
それはだというのだ。
「ただ。話が終わればいきなり、ってのはあるわね」
「それではやはり」
「信用できませんか」
「あの男は野獣ね」
夏侯姉妹への返答だった。
「牙と爪を剥き出しにしたね」
「若し華琳様に何かをすれば」
「その時は」
二人は既に心に剣を持っていた。曹操を護る為にだ。
「我等がいます」
「ですから御安心を」
「ええ、私もその時はね」
曹操もだ。既にその手に鎌を持っている。八神のその危険さを感じ取りながら。
「闘うわ」
「しかし今はですか」
「向かって来る危険はありませんか」
「とりあえずはね。じゃあ」
あらためて草薙にだ。声をかけたのだった。
「草薙、それではだけれど」
「あんたはいいっていうんだな」
「ええ、私はいいわ」
微笑んでだ。こう草薙に述べた。
「楽器が揃うのならね」
「そうか。じゃあ劉備さんは?」
「姉上には指一本触れさせぬ」
「その赤い髪の奴」
関羽と張飛が劉備の前に立っていた。彼女達も八神がどれだけ危険な男か察していた。だからこそ警戒の念を露わにしているのだ。
「いいな、そこから動くな」
「動いたら承知しないの」
「この男、野獣だ」
「ああ、こんな危険な奴はそうはいないな」
趙雲と馬超も槍を構えている。
「一瞬でも油断すればな」
「あたし達もやられちまうな」
「剣を抜いたままで持っているような」
黄忠も弓を携えて厳しい顔になっている。
「そうした感じね」
「俺がそこののろそうなのや小さいのを手にかけると思っているのか」
八神はその鋭い目で彼女達を見ながら述べた。
「安心しろ。それはない」
「ないっていうの?」
「そうだ。俺は今は誰ともつるむことはしない」
こう馬岱に答える。
「そしてだ」
「そして?」
「この男よりもまずだ。俺が礼をしなくてはならない相手もいる」
今度は草薙を見ながらの言葉だった。
「貴様等が何もしない限り俺からは何もしない」
「その言葉、信じろというのか」
「それだけ殺気を撒き散らしておいてなのだ」
「俺は暴力は嫌いだ」
また関羽と張飛に話した。
「殺すことはするがそ
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