第百四話 幼年学校卒業
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だけの施設じゃないでしょう、今後の友人関係を作り、多くの者の考えを知り、時にぶつかり時に解り合う、そうして人間関係を作っていく。そう言うところでしょう」
「そうです、いかに能力が有っても、人の心の機微が解らぬ者には、兵はついて来ません」
「流石、装甲擲弾兵を束ねているわ、ボタンだけで兵を殺す艦隊指揮官と違い兵の心が判っているわ」
「いや、小官など未だ未だ未熟者です」
オフレッサーが照れると何か似合わないとテレーゼは思いつつ話を続ける。
「その卒業生が少尉任官をするんだけどね、他の人が聞いたらどう思うのかしらね」
「なるほど、只でさえ生意気に感じる上に更に不快感が増すわけですな」
「そうよ、例えお父様の寵姫の弟とはいえ、出る杭は打たれるのに、その事すら判らないって、ある意味天才故の事なのかしらね」
「小官にはそこまでは」
「まあ良いわよ。あの者は近衛になれと言ったんだけどね、それを断ってきたわよ」
「不敬な事です」
「元から近衛に来るとは思ってないし、手っ取り早く武勲を立てたいみたいだから最前戦を望むようよ」
「幼年学校を出たばかりの嘴の黄色い雛がそこまで言いますか」
「焦っているんでしょうね。早く姉に良いところを見せたいと」
本当は知っているけど、未だオフレッサーには言えないからと、テレーゼは思うので有る。
「それにしても、戦を舐めていますな、痛い目に逢いますぞ」
「それを心配した、教官を無能扱いだからね」
「恩師をですか」
「彼にしてみれば、恩師なんか居ないって訳でしょうね」
「困った者です」
「いっそ、オフレッサーへ預けたら良いのじゃないかしらね」
「はあ、まあ健全なる精神を持つようにはできますが」
「そうよね、あのアルフレッドが威風堂々としてきたのにはビックリしたわよ」
「ランズベルク伯は良い生徒です、砂が水を吸うように我々の技術を貪欲に消化しています」
「じゃあ、来年は楽しみね」
「はっ、上級貴族初の装甲擲弾兵が任官するかもしれません」
「良いことですね、同じ釜の飯を食う事で貴族と臣民の垣根が低くなるでしょうから」
「全くです、部下達も最初は、貴族のぼんぼんに何が出来ると思っていましたが、倒しても倒しても立ち上がる姿に本気だと感じて、今では完全に我々装甲擲弾兵の仲間です」
「オフレッサーに認められるなら、素晴らしい事だわ」
テレーゼの言葉にオフレッサーはまたも照れる。
あっという間にオフレッサー邸へ到着した後、オフレッサー家で昼食を御馳走になりテレーゼはご満悦でノイエ・サンスーシへ帰宅するのであった。
■帝国軍幼年学校寄宿舎
卒業式後に部屋を片づけながら、ラインハルトとキルヒアイスが話していた。
「キルヒアイス、全くくだらない卒業
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