第六章 Perfect Breaker
加速する謎
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セルトマンの結論として
「コールくらい、別にいなくなってもいいんだってさ」
速度の完全。
それはひとまず完成したそれを、ためしに与えたもの。
いまさら惜しむものでも、ない。
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同時刻
「EARTH」(仮)の一室では
「あ・・・あぁ・・・?」
コールが蒔風の翼を掴んで、強引に引き千切ろうとしていた。
そしてそれは、次の動作で一気に達成されるはずだった。
しかし
「なんだこれ?」
コールの手が動いている。
ワナワナと震える自らの手を見ながら、コールが不思議そうな顔をして、実にあっさりとした口調でつぶやいた。
コールの手が翼から離れ、蒔風の身体が床に倒れる。
「ぐ・・・つぅ・・・」
「おい蒔風!!」
「大丈夫!?・・・・一体・・・」
その蒔風を引きずって寄せ、同時にコールの方へと視線を送るショウと理樹。
コールは自分の体を見ているが、そこに何の変化もあるようには見えない。
いったい、彼の眼には何が見えているというのか。
「は・・・ははっ・・・・なるほど・・・・無茶した結果がこれか。ほかのスペック、速度に全フリしたらこうなるわけね」
自分だけ理解するコール。
だが、そのセリフを聞いて理樹は納得していた。
コールがここにきて、理樹のバリアを突破したのはそう言うことだ。
常人以上程度にあげられたほかのスペックを、更に速度を増すためにそちらに回したのだ。
あの場合、回復力にまわせればよかったのだろうが、いかんせん彼の中にある「速度の完全」は変化不可能だ。
回すのならば、そこにしかないのである。
そして、その結果がこれである。
「自分の体内時間なんざ上げるんじゃなか・・・ったた、タタッタタ・・・多々多多あTAtatatataaaaaaaa!?」
ガクガクと微振動を始めるコール。
身体が、ではない。
その全身の細胞一つ一つが、振動していっているのだ。
なんのために?
高速移動の微振動ではない。それによって姿がブレているわけではない。
わけのわからない目の前の光景。
だが、蒔風達にもわかる形でコールの身体に変化が起きた。
「歳を・・・」
「とっている・・・・?」
回復していた肌は、一気に浅黒くなり、皺が生まれ、骨に張り付いていく。
髪の毛はみるみる伸び、一気に白に染まり、そして抜け落ちていく。
爪は何度も生え変わりながらはがれて行き、皮膚から発生する垢がバラバラとその場に
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