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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
加速する謎
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そのいきなりの咆哮にショウも理樹も驚いた。
思わず目を見開いてしまうほどに。

ショウが蒔風の肩に手を当てる。


「おい、いきなり何を・・・」

「何を・・・・」

「あ?」

「お前・・・いったい何をしているんだ・・・ッ!?」


後ろから手を伸ばしたショウが、蒔風の顔をうかがう。

驚いたのは、二人だけではなかった。
この咆哮は、幻術によるものではない。


では何か。
何がこれを起こしているのか。


当然ながら、それはコールの抵抗から来る雄叫びである。
しかし無為に叫び、喚き、悪あがきをするような抵抗ではない。


その抵抗には確定的な方向性があった。
つまり、何か目的があってのこと。

コールは何かを狙っている。
そしてそれを成す為、その力を行使しているのだ。


彼の力。それは


「超高速・・・・!!」

「理樹!!コイツ何をしてるんだ!?超振動の破壊か?」

身体を高速で振動させることによる破壊。

しかし、それは理樹も考えた事だ。
その対策はしているし、それでここを抜け出せるのならとうにここにコールはいないはず。

つまり

「超振動じゃない!!」


彼の体内で何が起こっているのか。
数秒の疑問にとらわれる三人だが、その回答は即座に目の前に現れた。


「おい・・・身体の傷、治ってねぇか?」

「え?」


コールの身体に着いた傷が、治って行っている。
加々宮ほどの物ではないが、もともと再生力の強い彼らではある。しかし、目の前の現象はそれを上回っていた。

さらに、やつれた肌はみるみる張って行き、生気の衰えた目は次第に活力を取り戻していく。


コールという男の、新たな能力か。

否、それはない。

彼等がもつのは常人以上のスペックに、その内の一つを徹底して上昇させた「完全」のみ。


ならば、この力も「速度の完全」の内の一つ。
そこから考え着くとすれば



「コイツは・・・・回復を早めている・・・!?」

「自分の速度を上げて、まだまだかかる心身疲労の回復を加速させているってこと!?」

「バカな・・・飯も何もないんだぞ!?外的要因もなしに、人間一人が回復再生する限度なんてたかが知れている!!」


しかし、目の前の事実は現実だ。
そうしているうちにコールは立ち上がり、昨日侵入した時以上のコンディションとなって三人を不敵に笑う。



それを見た瞬間、蒔風が手を引いてその場から弾けるように下がった。

同時に、コールの拳が壁に当てられる。



「理樹!!今すぐ――――」

バガンッッ!!!


蒔風の言葉が
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