第六章 Perfect Breaker
加速する謎
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晩よりも数倍長いから」
「さて・・・・じゃあ話を聞かせてもらうぞ」
「俺は何も言わん・・・・」
「翼人に嘘は通じない」
何も言わない、と連続して呟くコールに、蒔風が事前通告のように断言する。
だが、それでもコールの目つきも体勢も変わらない。
まるで、それがわかっているかのような反応だ。
だが、それでも蒔風は話を続ける。
「答えなければいい。それが嘘かどうかは、答えるからばれるのだ。言わなければ嘘かどうかも何もない・・・・・とか思ってるんだろ?」
「・・・・・・」
コールは無言だ。
もはやここから一言も発することはないだろう。
しかし、蒔風はにやりと笑う。
「それでいい。だが、お前は疲れている」
「?」
両手を広げ、言葉の意味を捕えかねているコールに、蒔風が壁一枚隔てて言い放つ。
「幻術のコツってのは覚えていてね。昔ほど強い物じゃないけど、それなりにできると思ってる」
蒔風の幻術――――というよりは、法則や現実を歪める力から来る派生能力。本人はあまり使いたがらなかったが、それはかなり強力だ。
強力だった。
それは、彼の「蓋」に内臓された「死の理解」という生者にあるまじき概念から来る歪みの産物だ。
そこから発生した内包世界―――すなわち固有結界・心象的世界破壊は、更に彼に幻術という力をも与えていたことがある。
しかし、その固有結界も今はない。
それは「蓋」に内蔵されていたものが原因なのだから、それが消失した今は使えないのは当然である。
とはいえ、蒔風という人物そのものが変わったわけではない。
彼の身体にはしっかりと、それを行使した記憶が刻み込まれている。
故に昔ほど得意なわけではないが、使用は可能だと言うことだ。
「そして、今のお前は疲弊している。そこにこいつ掛けたら・・・まあ簡単にかかるだろう、って思うわけ」
「・・・・・!!!」
「理解したか?まったく、理樹。ここまで疲れさせるとかお前ナイスすぎる」
蒔風のサムズアップに、理樹が笑顔で答える。
それとは対照的に、コールの顔は怒りと焦燥に染め上げられていた。
「貴様・・・・ッ!!」
「さ、いろいろと見せてもらおうか」
蒔風の五指が、理樹のバリアに触れる。
理樹のバリアは蒔風の手に合わせて変形し、そしてそのままコールの頭に伸びていく。
箱も狭まり、コールに逃げ場はない。頭を掴み取り、蒔風がその力を執行する。
そして
「うグぉォォォッッオオオ、グッッオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!」
コールが叫びをあげた
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