第六章 Perfect Breaker
不意打ちの乱入者
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「一緒にいた男たちってのも、行方知れずなんだろ?」
「うむむぅ・・・・」
腕を組んで考え込んでしまう一刀と理樹。
そうして考えていると、今までは聞こえなかった音が聞こえてきた。
それは結構前から続いていたのだが、ゲームのせいか聞こえていなかったようだ。
ともあれ、二人は部屋から出て何事かと様子を見に行く。
騒ぎの中心は
「玄関ロビー?」
------------------------------------------------------------
『私はアーヴ・セルトマン。魔術教会の資料とは違う姿だが、そこは気にしないでくれ』
玄関ロビーの人だかりは、円形に中心を開けて作られていた。
その中心に、ホログラムのように映し出される男。
床には手紙だったのであろう紙が散らばっており、そこからの光でこの虚像を作り出しているのだろう。
「その理由を教えてくれるのか?」
『いやいや。それは君の優秀な理解力で解いてくれよ、蒔風』
それと対峙するのは蒔風だ。
考え込みながら三階を歩いていると、下のロビーから「きゃ」という悲鳴がして飛び降りたのだ。
手紙を開けたのはアリスらしい。
驚いて声を出してしまったのをからかわれたせいか、顔が少し赤い。
「じゃあなんだ。お前が世界を破壊すると言うのは知ってるが」
『あー、別段それは目的ではないのだが、途中経過でそうなるな』
「ふざけんな」
『だろうね。でももうほとんど準備は出来てるんだ。後は実行するだけさ』
男の言葉に、蒔風の双眸が険しくなる。
もしそうなら、自分たちの知らないところで世界破壊の段取りは進んでいるということだ。
『蒔風。君らにとっての最後のチャンスは、あの時に立華奏を私から守るときだったんだ。それが失敗した以上、私はこれ以上ない完璧となって世界を破壊する』
「でもそれが目的じゃないんだろ?何が目的だ」
かつて、「奴」であった頃のショウは世界を破壊してそのエネルギーで新たな世界を再構築、自らの失われた世界を取り戻そうとしていた。つまりはショウ自身も、世界の破壊そのものは目的ではなかった。もしかしたらこいつも、同じように何かの理由があるかもしれないと言う蒔風の考えだ。
だが
『私は、この私の完璧を世界に示す――――たとえ世界が破壊され、その存在が消滅しても!なおその存在を失わないとなれば・・・・・それは紛うことなく「完璧な存在」であるといえるだろ?』
「実験か?」
『そう。いうなれば「存在実証実験」とでもいうのか』
「余計ふざけんな」
眉間にしわを寄せて嫌
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ