第六章 Perfect Breaker
光の先に
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「おや」
そこにいたのは、先ほどの男。
こちらに背を向け、何かを片手で持ち上げて吊るしている。
離れた場所には、体当たりを敢行して吹き飛ばされたのか。ガードチェイサーが炎をあげて燃えている。
さらには下の道路を見ると、パワードイクサーがひっくり返って火花を上げていた。
周囲のビルには、多くの弾痕。それと、いくつかの黒焦げた跡。
男の正面のビルには、クレーターが出来ている。
叩きつけられたのか、ティアナがその下で足を投げ出して座り込んでいた。
クロスミラージュを握り、しかしその指に力は込められない。
氷川は、男の足元後ろに転がっていた。
G3-Xの装甲はバラバラに飛び散っており、もはやアンダースーツしかない。
弾痕の正体であるガトリング・GX-05ケルベロスは、その銃口から煙を上げながら、中ほどで曲げられて沈黙している。
そして、男の腕にはライジングイクサへと強化変身している名護が、首を掴まれ、ぶらりと足を投げ出している。
装甲からは火花が上がり、その効力をすでに失っていた。
マスクは砕け、名護の左顔面が日光にさらされている。
「来たのか?蒔風」
特に驚くことなく、しかし目を見開いて男は言う。
「来てしまったか」と、予想していたがそうなってほしくなかったかのような響きを含んだ声だ。
ガシャン、と脇に名護を落とし、足元の氷川と一緒に押しやった。
「てめぇ・・・・」
蒔風の脳内が、沸々と湧きあがって行く。
その中、男が踵を返して蒔風に向き合う。
チラリと視線だけを後ろに回し、ビルの影を見る。
「動くな!!(ジャカッ)」
蒔風がどこから出したのか、即座に銃を構えて男に銃口を向ける。
そして、男の視線の先から大体を察する。
「そこに「少女」ってのがいるのか・・・・」
「だから邪魔しに来てほしくなかったんだ。面倒になるのは目に見えていたから」
「じゃあ甘んじてそれを受けていくんだな。ここで終わりだ」
「ところがまあ・・・・そうでもない!!(ブゥワッ!!)」
男が羽織っていた上着を翻す。
それと同時に蒔風が左手にも銃を取りだし、一斉に発砲した。
が、男の上着はマントのようにまで伸び、その体を銃弾の嵐から守った。
蒔風は右手の銃を撃ちきるとそれを捨て、左手のマシンガンのみを撃ち続けながら右手はポケットから何かを取り出した。
それは極細の、しかし超強靭な繊維―――糸だ。
先端には、極小の鎌のような刃がついており、蒔風が口で加えてビィンと伸ばした。
そしてそれを投げるかのように振るい、先端の鎌が男に向かって伸びていく。
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