第六章 Perfect Breaker
光の先に
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
今彼がいるのは、「EARTH」陣地側の森。
左右にある森だが、理樹がいるのがこちら側なのはわかっている。
だがだからこそ、今こうして森を問題なく「走り抜けている」事が問題なのだ。
(理樹は砦前に立体迷路を敷いていたはず。それがないってことは、それを維持できないほどの相手か――――)
「行かせないぜ!!銀白の翼人!!」
「な!?」
思考し、森をかける蒔風。
その眼前に、いきなり人影が現れた。
蒔風は知らないが、先ほどまでヴィヴィオ達の相手をしていたあの男である。
「邪魔だ!!」
当然、蒔風がその男を相手にするわけもない。
蒔風は軽く跳躍し、目の前の顔面に膝蹴りをブチかましにかかる。
そのままこいつの顔面を踏み、先に進むつもりだ。
「効かんン!!」
「なに!?」
しかし、蒔風のそれは効かない。
男のヘッドバッドが同時に炸裂し、蒔風の身体が一瞬浮いたのだ。
「そ・・・・」
「お?ブッ飛ばないのか。なかなかの威力だったんだな」
ダァンッッ!!!
「ブッ!?」
バガンッ!!!
浮いた蒔風を見て男が感想を述べたのち、蒔風の身体は男によって叩き落とされた。
まるでハエ叩きのように振るわれたその掌をまともに喰らい、蒔風の身体が地面にめり込む。
「ゴホっ!」
「怪我しない世界でよかったなぁ!」
(まったくだ・・・じゃなきゃ肋骨全部イってたぞこれ!?)
相手の力量を、あの再生の男と同じほどだと見た失策。
想定外の攻撃力に、蒔風の脳が揺れる。
「だが足止めは成功。もう少しなんだ。じゃますんな」
『そうもいかん』
「な・・・・に?」
他にいないか、と周囲を見渡す男だが、聞こえてきた声に足元を見やる。
そこにいたはずの蒔風はおらず、声が森全体から響いてくる。
『じゃあな』
「あの一瞬で離脱するのかよ・・・・・・・」
蒔風がすでにその場におらず、自分には捕捉できないことを悟った男は連絡端末を取り出して話しかける。
二言、三言交えたのち、茂みの向こうへと男も姿を消す。
一方
「くっそ・・・・!!」
ダメージを抱えたまま、蒔風が理樹の気配を察知してその方向へと向かう。
もはや半分飛ぶかのように状態で森を抜け、蒔風がその中で理樹を発見した。
「理樹!!」
「舜!?」
蒔風が飛び込んできたとき、理樹は腕を抱えて血を流していた。
その理樹の傍らにしゃがみ込み、小指ほどの小瓶でその血を掬い取る、別の男。
「・・・てめぇか」
「やあ、蒔風」
敵意を剥きだす蒔風に、まるで長らく知って
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ