第六章 Perfect Breaker
敵の狙いは―――
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が、今の蒔風にこんな男を相手にしている余裕はない。
地面に軽く触れると、背の低い木が太い枝を宿すほどに急成長した。
そしてその枝を手刀で切り落とすと、男に向かってそれを投げつけた。
「げうっ!?」
「大人しくしてろ!!原理は知らんが、その身体なら平気だろ!!」
男の腹にそれは突き刺さり、草原の中に点々と存在する岩の一つに叩きつけられた。
枝によって縫いとめられた男をしり目に、蒔風は飛んで行ってしまう。
「あーーーゴホっ。やっぱもう見抜かれてたか」
少しだけ血を吐きだし、しかしそんな見た目とは裏腹に、男は軽い口調でつぶやく。
「植生、なんてロクに使ってない能力だから完全に忘れてたわ・・・・げ、この枝曲がりくねってやがる」
エグイことするよな、と言いながら、ブチブチと強引に身体を前に進ませ、身体から枝を抜く。
ズポッと枝から解放され、男の腹に開いた穴もふさがって行った。
携帯を取り出す。
「あーー、こっち逃げられた。でもそっちには向かってないので・・・・え?もう終わる?」
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『現在、所属不明の参加者が戦に入り込んでいます。各自戦闘を中断し―――――』
アナウンスが空に響く中、蒔風が一気に飛翔して行く。
目指すは草原。その中に
ザッ!!
「な・・・・」
ドン!!とでも効果音を付ければいいか。
その場の風景はそんな光景だった。
地面に大きなクレーター。
そしてその中も外も、広範囲にわたって地面が掘り起こされ、そこからはシュウシュウと煙が上がっている。
中心地の地面には、叩きつけられたのか拳の跡がくっきりと残っていた。
その周辺に、転がる人影。
「おい、大丈夫か!!・・・キョン、ハルヒッッ!!」
「・・・ぉ・・・・・・・」
口から洩れる小さな声に、生きていると安堵する蒔風。
冷静に考えれば、この地で死ぬなんてことはないのだが、この光景はそれをも忘れさせる。
そして、中心地から離れたところでみくるとコロナが気絶しているのを見つけ、さらに近くで古泉と長門を発見した。
「・・・・ヴィヴィオ!!!」
「あ・・・パ・・・パ・・・・」
「・・・・せめてパパじゃなくておとーさんって言いなさい」
「あはは・・・・ッ」
良かった、と安堵の表情を浮かべ、ヴィヴィオとミウラを抱えて行く。
その中心地に戻り、今度はアインハルトとリオを発見し、抱えて衛生兵を呼ぶ。
「一体何が・・・何者がもぐりこんでいるんだ・・・・」
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