第六章 Perfect Breaker
敵の狙いは―――
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
態度が気にくわないが、今はそんなこと、どうでもいい。
「素手でエクスカリバーを掴んで止めた・・・・!?」
さらに言うならば、男の手のひらは「無傷」である。
一滴の血も流さず、掌の皮を薄皮一枚たりとも傷つけることなく、だ。
まるで、エクスカリバーに刃などないかのような。
「硬い・・・!?」
「先ほども自分でそう言ってたじゃないですかぁ」
確かにそう言った。
だがあの時はエクスカリバーで切ったというよりは、風王結界の出力を調整して「殴った」という方が正しい。
しかし、まさか本当に刃が通らないなんてことが想定出来るだろうか―――――
「さて、あの方の目的はもう少しのようですしねぇ。遊んでもらいましょうかぁ!!」
「クッッ!!!」
------------------------------------------------------------
「オラァ!!」
「ゴゥッ!?ハ・・・ハッ、すげぇ!!でも意味ねーっての!!」
「ゴッ・・・ガハッ!?」
蒔風のアッパーが男の身体を少し浮かす。
しかし、そのダメージが効かない・・・・否、「無くなっている」のか、男の頭突きからの膝蹴りが共に顔面に入って蒔風が後ろに下がる。
「はぁ・・・ハァ・・・・」
「この世界じゃもともと体に怪我とかしないんだっけ?でもあんた、相当疲れてるね」
蒔風は全身から滝のように汗を流している。
プールから上がったかのように肌は濡れ、服が張りついて不快感をさらに助長する。
ズ――――ズンッッ!!!
「なんだ・・・・?」
「おぉ・・・・オフィナの野郎、ぶっ放したか」
「なに・・・・!?」
大地の震動音がして、遠くの方でキノコ雲が上がる。
オフィナ、と言うのがその場にいる敵らしいが、それ以上に蒔風の脳内は一つのことで埋め尽くされた。
翼人が配置されている場所はわかっている。
東側の少し外れた丘とその麓付近に、砲撃隊と交戦する観鈴。
砦前の森と草原に迷宮を張って待ち構える理樹。
相手は厄介だが、翼人ならいずれ倒せる相手だ。
現に蒔風も、疲弊しきってはいるものの相手の能力はすでに察しがついている。
その対処法もある。
だが、あの位置はそのどちらでもない。
位置は、三国同盟側・西の草原。
あの位置には――――
「ヴィヴィオ!!!!」
「おっと!?」
その場に向かって、蒔風が咆哮し翼を広げる。
一気に飛び立っていこうとする蒔風だが、その眼前に男が立ちふさがる。
「どけ!!」
「おっ!?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ