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世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
敵の狙いは―――
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態度が気にくわないが、今はそんなこと、どうでもいい。



「素手でエクスカリバーを掴んで止めた・・・・!?」

さらに言うならば、男の手のひらは「無傷」である。
一滴の血も流さず、掌の皮を薄皮一枚たりとも傷つけることなく、だ。

まるで、エクスカリバーに刃などないかのような。


「硬い・・・!?」

「先ほども自分でそう言ってたじゃないですかぁ」



確かにそう言った。
だがあの時はエクスカリバーで切ったというよりは、風王結界の出力を調整して「殴った」という方が正しい。

しかし、まさか本当に刃が通らないなんてことが想定出来るだろうか―――――



「さて、あの方の目的はもう少しのようですしねぇ。遊んでもらいましょうかぁ!!」

「クッッ!!!」



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「オラァ!!」

「ゴゥッ!?ハ・・・ハッ、すげぇ!!でも意味ねーっての!!」

「ゴッ・・・ガハッ!?」


蒔風のアッパーが男の身体を少し浮かす。
しかし、そのダメージが効かない・・・・否、「無くなっている」のか、男の頭突きからの膝蹴りが共に顔面に入って蒔風が後ろに下がる。


「はぁ・・・ハァ・・・・」

「この世界じゃもともと体に怪我とかしないんだっけ?でもあんた、相当疲れてるね」


蒔風は全身から滝のように汗を流している。
プールから上がったかのように肌は濡れ、服が張りついて不快感をさらに助長する。


ズ――――ズンッッ!!!


「なんだ・・・・?」

「おぉ・・・・オフィナの野郎、ぶっ放したか」

「なに・・・・!?」


大地の震動音がして、遠くの方でキノコ雲が上がる。
オフィナ、と言うのがその場にいる敵らしいが、それ以上に蒔風の脳内は一つのことで埋め尽くされた。


翼人が配置されている場所はわかっている。

東側の少し外れた丘とその麓付近に、砲撃隊と交戦する観鈴。
砦前の森と草原に迷宮を張って待ち構える理樹。


相手は厄介だが、翼人ならいずれ倒せる相手だ。
現に蒔風も、疲弊しきってはいるものの相手の能力はすでに察しがついている。

その対処法もある。



だが、あの位置はそのどちらでもない。


位置は、三国同盟側・西の草原。
あの位置には――――



「ヴィヴィオ!!!!」

「おっと!?」


その場に向かって、蒔風が咆哮し翼を広げる。
一気に飛び立っていこうとする蒔風だが、その眼前に男が立ちふさがる。


「どけ!!」

「おっ!?」


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