ペルソナ3
1817話
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「はぁ、はぁ、はぁ……」
騎士のシャドウを倒すことには成功したが、ゆかりはまさに息も絶え絶え……いや、この表現は微妙に違うか?
ともあれ、本当に魔力を限界近くまで使ったのだろう。
息は切れ、顔には大量の汗が浮かんでいた。
タルタロスの床に腰を下ろし、壁に背を預け……といった具合に、完全にもう1歩も歩けません状態。
「大丈夫か?」
「え、ええ。大丈夫。……ただ、ちょっと休ませてちょうだい」
「だろうな」
あの騎士のシャドウを、ガルだけで倒したのだ。
普通に考えれば、かなりの無茶をしたと言えるだろう。
もっとも、今のゆかりの攻撃手段はイオのガルと体当たり、それと弓しかないのも事実だ。
その内、体当たりと弓の両方を封じられている以上、攻撃手段はガルしかない。
となれば、ゆかりがあの騎士のシャドウを倒すには、自分の魔力限界までガルを使うしかなかったのは間違いないのだ。
「じゃあ、ちょっとここで待っててくれ。俺はちょっとこの階を探索してくる。……護衛はそいつがいるから、大丈夫だろ」
視線を向けた先にいるのは、子猫の炎獣。
ゆかりにとっても、既にお馴染みの存在と言ってもいい。
ついでにと、空間倉庫から取り出したスポーツ飲料の入っているペットボトルをゆかりに放り投げる。
「ええ、ありがとう」
そう言えばスポーツ飲料ってのはその名前とは裏腹に、かなり太るって話を聞いた事があるが……まぁ、あの騎士のシャドウと戦って、精神的にも肉体的にもかなり消耗した筈だし、影時間に多少スポーツ飲料を飲んでも問題はないよな。
うん、問題はない……筈だ。
ただ、次からはウーロン茶やミネラルウォーター辺りを渡すとしよう。
コクコクと、喉を鳴らしながらスポーツ飲料を飲むゆかりを……正確にはそのスポーツ飲料を飲み、艶めかしく動いている白い喉を見ていると、それに気が付いたのだろう。
ゆかりはスポーツ飲料を飲むのを止めて、こっちにジト目を向けてくる。
「ちょっと、何よ。何を見てるのよ?」
「いや、特には何も。それより、よくあのシャドウを倒せたな」
「……何だか、話を誤魔化された気がするんだけど。まぁ、相手は結局最初から最後までアクセルの鬼眼だっけ? それでまともな行動が出来なかったもの。あれで、実はジオとか使ってきたら厄介だったけど」
「だろうな」
ゆかりのペルソナ、イオは電撃系に弱い。
それこそ、ジオを使われれば、その衝撃で転んでしまう程に。
その上、このタルタロスを戦ってきた経験から考えると、何気にジオを使ってくるシャドウは多い。
もしかしたら、あの騎士のシャドウもジオを使ってきた可能性は十分にある。
そう考えれば、やはり鬼眼を使ったのは悪くない選択肢だったのだ
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