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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―正義の味方―
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た水で、ストロー付きでサイコ・ショッカーを着ながらでも飲めるのが最高だったが、もうショーも終わって着ている意味はないことに気づくのには遅れてしまう。しかしてそんなことより重要なのは、共にショーをしたカイバーマンのことで。

「あの……あなたは、まさか……」

「……そのスーツでは難しいだろう。運び込め!」

「はい!」

「え?」

 おずおずと問いかけてみれば、返ってきた答えは意味のわからないもので。どういうことか聞き返そうとするより早く、どこからか現れた黒服の男たちに全身を掴まれ、そのままカイバーマンが乗ってきた青眼の姿をしたジェット機の後部座席に乗せられてしまう。

「え、ちょっ、まっ……」

「次の場所の客はデュエルの中身を重視する。貴様本来のデッキを用意しておけ!」

 そうして慣れた様子でカイバーマンはコクピットに飛び乗ると、まるで躊躇もなく発進する準備を整えていくと、俺に質問する暇も与えず青眼ジェット機は離陸する。回らない頭でカイバーマンに言われたことを反芻すると、どうやらこのまま次の海馬ランドへ向かっていき、そこで同様にデュエルショーをするらしいが――

「まずはカナダの海馬ランド! 全速前進だ!」

 ――正直、そこからの記憶は曖昧だった。世界各地を高速ジェット機で回りながら、どこにでもある海馬ランドでデュエルショーをした記憶はおぼろげながら残っていたものの、それよりは単純に疲労感がずっしりと身体を締め付けていた。何より世界各地であらゆる手を使おうとも敗北していれば、体力以上に気力がどうしようもなかった。

 その日の……いや、最初のデュエルをしてから次の日の休日の昼間、青眼ジェット機からパラシュートで落下して寮の部屋に戻ると――皮肉にも、パラシュートの使い方は今回の世界旅行でプロ並みになった自信もある。そうしてシャワーを浴びて着替えた瞬間に体力の限界を迎え、ベッドまでたどり着けずにソファーで倒れたのが最後の記憶だった。

 ――いや、その日のソファーの寝心地は、枕が非常に心地がよい思い出があった。


「……遊矢? 帰ってきてたの?」

 朝に学校で多少の用事を終わらせてきた明日香は、留学生の寮に降りていったパラシュートを見ていた。一瞬だけ理解に苦しんだものの、とにもかくにも遊矢が帰ってきたのかもしれないと、アカデミア教員のスーツのネクタイを緩めながら彼の部屋の扉を開ける。昨日と同じくチャイムを押しても反応はないが、鍵もかかっておらず、いまさら気にする関係でもないと部屋に入っていくと。

「遊……って、まったくもう」

 部屋に入って一番最初に明日香の視界に入って来たのは、アカデミアのジャージを着てソファーに倒れ伏す遊矢の姿だった。そんな姿を見て最初の数回は慌てたものだが、
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