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KANON 終わらない悪夢
63鬼が二人に増える
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渡されれば、舞と同等の力を持つ羽目になる。

 秋子の家
 人外同士何故か話が合い、委員長の母と談笑してしまえる秋子ちゃん。
「ええ、脳のこの部位に電極で刺激を与えると、発情が収まらなくなって、いつでも交尾できるようになるんですよ、人間と同じですね」
「あははっ」
 動物実験で、人や動物の心を換えてしまえる実験結果を公表し、術との併用でさらに悪魔的な効果が得られると情報交換し合い、相乗効果を目指している二人。
 妖狐になるまでのドッグイヤーの年齢を合わせると、40歳超えてるPTA会長と年齢も近い二人だが、秋子ちゃんの実年齢は21歳である!
 ええ、未亡人下宿の管理人さんは現在21歳なんです、大事なことなので2回言いました。
「私達が人間の記憶を書き換える時は、この辺りをいじって上書きしてしまうんですけど、どうしても記憶のバックアップが残ってしまうので、元の記憶は消せないんです。ですから元の記憶を取り戻すと死ぬような恐怖を与えて、そちらは取り出せないようにします」
「ああ、海馬体から書き換えるほうが楽ですよね、今の医学だとPTSDの記憶を消すのにも困ってますから、そちらのほうが楽ですよね、うふふっ」
 多分、美汐の記憶を消す時にも、白目剥いてお漏らしして気絶するような恐怖を与え、非人道的な処置をして書き換えた秋子。
 それ以降のレイプ目は、ゆうくんを失った悲しみではなく、秋子に与えられた恐怖がトラウマになったらしい。
 そんな話でも、普通人が「死ぬような恐怖」でも笑って話せる二人。もうどちらも人類じゃない。
 もちろんボランティアとして名乗り出た学生にも家族にも病人や老人にも、人道に外れた実験をして「病気や鬱病を治す?」治験をさせて、別人のような感情を植え付けたりもしている悪魔。
 治療と称してハッピーでラッキーな人格を新しく作成して無理やり入れ替え、記憶だけ継承した別人を作っておいて「治療に成功した」として治験者からも感謝されていたりもする。
「ペルソナの入れ替えには、この部位ですね、ここを焼いてしまうか、劣化させて次候補に入れ替え、書き換えするんですよ」
 精神構造とか「人格」「自己」の形成過程を理解しない常人には、元の陰鬱な人格回路を破壊するだけで「治療出来た」と思えるらしい。
「まあ、そんな方法もあるんですねえ? 私達が人体を乗っ取った時は魂や心を食べる、つまりこの辺りにある心、魔術的な回路を潰してしまって自分と同じ物をコピーするようにして、絶対服従のロボットを作るんです」
「まあ、参考になりますわねえ」

 その内容を理解できない名雪は、帰宅後の習慣でシャワーを浴びて着替え、夕食の準備に入ったが、理解してしまえる美汐は悪魔の会話を聞いてしまって、顔面蒼白でガクガクブルブルしていた。
(もしかして私も?)

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