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KANON 終わらない悪夢
63鬼が二人に増える
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、それでも無理やり給弾されて連続暴発。
 覗いていたスコープと銃身の破裂、機関部から後ろが何故か人体方向に吹き飛ぶ、などの数々の奇跡が起こり、両目の破損と眼窩から脳に至る鉄製部品の突入、顎の消失と声帯に至る裂傷、右手手首より上の消失。
『あら、いたずらはいけませんよ〜』
 マヌケ達は、秋子に向かって射撃した人物がどのような末路を歩んだか聞き及んでいなかった。
 アジア系のロシア人なのか中国人なのか、今回の化物がどのような神通力で人間を捕食して、楽しんで殺害する相手なのかを聞かされていなかった。要は生贄の一人である。
「AA! AAAAAAAAA!」
 その頃にはペアである観測員の前に、ちっちゃい佐祐理消防団が到着して、ニュルニュルの巨大な化け物に捕食される幻覚を見せていた。
 幻覚に向かってトカレフを発砲しても無駄で、その男も脳に仕込まれた情報から、手足を引き千切られてから生きたまま内蔵を食われるのが分かったので、苦しまないように拳銃を咥えて自分の脳を吹き飛ばした。
 後には舞と縁があった野犬が呼ばれ、新鮮な人間のハラワタを存分に味わった。

「佐祐理は凄いのだ、ボクにはあんな遠い奴は仕留められない」
 喜びの舞、風と雷槌の精霊でも、狙撃用ライフルの焦点距離、200メートルほど離れたビルの屋上の敵は仕留められない。
 夜の使い魔の特徴として、憑依された人物の寿命を一切考えずに術を行使させるので、脳がすぐさま焼き切れるような術でも、術者や暗殺者を倒すためには、どれだけ強力な術でも平気で使用するので、魔物を放った術者より強力な術を使用できる。
 妖狐の一族が使い魔を恐れるのもこれが原因で、憑依者の体の命などなんとも思わず、妖力を使い果たして死ねば、使い捨てにして別の体に憑依する。野犬でも猫でもネズミでも、逃げられれば何でも構わない。
 佐祐理の場合は祐一から幾らでも妖力を吸収できるのと、他人の命を食って「オナカイッパイ」になっているので自由に術を行使できる。
 天使の人形が幼い頃、小さな手で寄せ集めた汚い蝋燭を焼いて使い切り、新たに集め直した大きな物を点火し、佐祐理自身が持っていた小さい命の炎は、最下層に置き直して緊急時にだけ点灯する。
 魔物の守護が解除され、力が発現するのに栞より数日遅れたが、闇落ちして有り余る妖力に溺れて人の心を失い、自分たちや舞の命を奪おうとする者には、虫けら以下の扱いができる精神を持たされた。
 闇堕ちした栞を見て、過去の一族が定めた掟が正しかったと悟った月宮一行も、数日あれば佐祐理や栞と同じになる。わざわざ地を這う蟻の命を思って歩いたりはしない。

 他にも軽い落雷が有り、観測員の四肢に麻痺が残るような神経障害、神経や脳の焼損が起こった。
 舞によって火水風の力を持たされた佐祐理、後は木土の力を
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