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KANON 終わらない悪夢
63鬼が二人に増える
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「はい」
 普段なら家に帰ると、どんぶり飯に唐揚げとかハンバーグを乗せて、マヨネーズぶっかけ高カロリー丼を頂いている時間なので口が甘いものを求めていなかったが、食べ物には差別しない方針でストライクゾーンも広いので食える物は拒まず、寄らば食う人物なので、一口食べただけで昨夜の栞のように上の口も陥落した。
「んほおおおおおっ」
 甘すぎず、しっとりしていてパサパサしておらず、舌だけで溶けて口の中を侵略してくるチーズケーキ。デブい娘も上の口からのチーズケーキ口撃だけで快楽堕ちした。
「スゲエ、こんな美味いモン食ったことねえっ」
 金髪ヤンキー女も、甘いものが嫌いで買い食いもしない上に拒食症、1年前ぐらいまで足の細さも拒食症ラインだったのが、このままデブになるか庶民の味など食えない美食家の舌にされた。
 成人しても炭水化物やブドウ糖を摂らず、アルコール依存症からキッチンドランカー、脳のエネルギーサイクルがブドウ糖からアルコールの産物である酢酸に変更され、ウェルニッケ脳症で瓶の中や開封していないペットボトルの中にウジ虫が見えて、喉をかきむしるレベル5発症一直線だったのも救われた。
 周囲でも眼鏡の三人、舞、ボッチ、デブいの、うるさい女、皆泣いていたが、その中にも裏切り者が二人もいた。
 委員長と教頭の孫、来客が高級菓子を持ち込んで「教頭に娘や息子が救われたお礼(賄賂では無く挨拶品なので受け取る)」「大学に(人道に外れた実験治験で)予算を分捕ってきた謝礼」「講演のお土産」などなど、高級菓子を食べ慣れている人民の敵がいた。
 今後も滅びの巫女じゃない仮のイザナミなので、擦り寄ってくる者、献上品を届ける者が増えるので、美食し放題。
 教頭の孫も、舞の「楽」の魔物、怠惰の心と性欲の化身が宿っているにも関わらず、昨日までの美汐のように鋼鉄の精神で節制し、ヤンキー女のように甘い物を何個も掴んで踊り食いするような恥ずかしい行為をせず、フォークでお上品に食べていた。
 ただ一人、炭水化物と生臭物を食べられない修験道?がいたので、今日も泣きながら野菜スティックを齧るウサギが一匹いた。あんこと砂糖の組み合わせの羊羹や餡蜜も嗜好品なので不可らしい。

 そんな状況を監視している一同の中で、散々苦労させられた舞と、舞の魔物が入った「夜の使い魔」に軽く意趣返しをするため、少女が持っているティーカップをドラグノフの弾丸でふっ飛ばし、軽く警告してやろうとしたマヌケがいた。
 手に当たったりしないよう注意し、外れてもカップを素通りして行くようにしても、妖狐とその関係者に手出しするのが、どの程度愚かな行為で災厄を招くか理解していなかったマヌケは、引き金を引こうとした瞬間に異変が起きたのを感じた。
 信頼されている製品のフルオート暴発。何故か弾丸は射出されず銃身後部が破裂
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