暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
第ニ章
第二章 汚された草競馬大会-1-
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次の日。旅立ちの朝がやってきた。
家の前、旅の身支度を済ませたルシア達は

「じゃあ行ってくるね」
「あぁ…元気でのぉ」
「うん」

ジェームズ爺さんと朝がきたことを告げる鶏の鳴き声に見送られて攫われた妹を探す旅へと旅立って行くのだった――。

「ふぁー。……なんでこんな朝早くから」

性格から想像はなんとなくついていたがランファは朝に弱い。自力ではまず起きれないし、起こそうにもちょっとやそっとのことではまず起きやしない。もしかしたら、核ニサイルが直撃しても起きないかもしれない。いや、それだと永眠してしまうか。

「早起きは三文の得って言うでしょ? だから」
「三文って…なんもん?」
「……えっと、それじゃあ」
「あー! わっかんないのに使ってるんだぁー」

鎮火させようと思って偉そうな事を語ってみたのだが、どうやら火に油を注いでしまったようだ。
ふくらましていた頬をさらに膨らませて、プスプスと頭から蒸気が出そうなくらいに怒りを全身で表すランファ。
これは…うん。とっても面倒くさい。プリンセシナで鍛え上げたスルースキルを発動するところだな、とルシアは無視して次の町へと歩き出すことにした。

「頑張るんじゃのぉー!」
「はーい」
「ジェームズお爺さんもお元気でー」
「長生きするんじゃぞークソジジィー」
「こらっ」
「言われんでもするわいのぉー」

さよならを言ってから、もう数分は経ったがまだ、ジェームズ爺さん家の近所にいたルシアは達。今度こそ本当にさよならと、別れの挨拶をし、最後にランファの余計な一言にツッコミを入れるジェームズ爺さんの言葉にみんなで笑いながら町を出て行く。

「今度はヨナを連れて戻ってきます――」



町を出発してから数刻後。今更。すっごく今更な事実に気づいてしまったルシア達御一行。どうせならこのまま気が付かずにたかったのだが……行先を決めずに町を出てきてしまった事に気がついてしまったのだ。
気がついちゃったのだからしょうがない。どうにかしなければいけない。けど、どうしようと悩んでいるとランファが閃いた! 適当に歩いて行けばそのうち、町か何処か人の住む場所に辿り着くんじゃない?
という無茶苦茶なな案に乗っかった。
考えるのが面倒くさくて…つい。そしてその結果、あーでもない、こーでもないとどんどん人里から離れた獣道を何本も通るはめに…。

迷いに迷って……駄目かと諦めかけたその時、やっと街道を発見したのだ。ついでに泥にハマって立ち往生している馬車も発見! これはついている、ラッキーだ。
近くにある町を聞くついでに泥から抜け出すの手伝ってあげると、親切な馬車のおじさんは助けてくれた御礼に何処か行きたい所まで連れってあげるよと言ってくれた。
それはとても嬉しい誘い
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