ペルソナ3
1816話
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呆れたようにゆかりが呟くが、格下相手の敵とはいえ、ほぼ確実に何らかの状態異常を付与するというこの能力は、BETAのような相手と戦う時には非常に重宝してるのだが。
「で? あいつは現在どんな状態異常になってるんだ?」
荒垣の言葉に、壁にぶつかり続けている騎士のシャドウに視線を向ける。
俺の隣で、ゆかりもまた騎士のシャドウを眺めていた。
「そう言われてもな。……さっきも言ったけど、どんな状態異常になるのかってのは、俺でも分からないし。ぶっちゃけ、石化になったり寝たりするのなら予想するのも難しくないんだが」
「……相手がどんな状態異常になるのかも分からねえうえに、実際に使った後でもどんな状態異常にしたのかも分からねえのか?」
「そうなる」
「はぁ。使えるんだか、使えねえんだか、正直微妙なスキルだな」
溜息を吐く荒垣だったが、状態異常の種類をこっちで調整出来ないのは残念だが、それでも目で見るだけで視界に入った全体に状態異常を付与するという能力は、極めて強力だと思う。
……まぁ、相手がPTとかMSとか、そういうのに乗っていれば無意味だが。
ただ、ロボットではなく生身で戦うこの世界では、かなりのアドバンテージを持つと言ってもいいだろう。
「少なくても、今回は役に立っただろ」
ぶっちゃけ、ゆかりを庇ったあの騎士のシャドウを倒すだけなら、俺が取れる手段は他にも幾らでもあった。
例えば、ゲイ・ボルグを使わずとも白炎で燃やしてしまうとか、それこそ永久石化光線を使ってもいい。
そのような真似をしなかったのは、鬼眼で十分どうにか出来るという確信に似た思いがあったからでもあるし、同時にこの小ボスをゆかりに倒させようという思いもあったからだ。
現在このタルタロスを俺達が攻略しているのは、タルタロスに影時間に対する秘密か何かがあるからというのもあるが、同時にゆかりの強化という目的もある。
この世界の原作が、もう始まっているのか、それともまだ始まっていないのか。
その辺りはまだ分からないが、それでもゆかりが恐らくこの世界の原作に登場するだろう人物である以上、ゆかりを強化しておくのに越した事はない。
……原作で、実は力が足りなくてゆかりが死ぬなんて展開になったら、ちょっと洒落にならないしな。
「それはそうだけど……」
「とにかく、向こうは混乱か目が見えなくなっているのか、はたまた何か幻覚を見ているのかは分からないが、俺達を認識出来ていない。今のうちに倒してしまえば」
「え? 私?」
まさか自分が指名されるとは思っていなかったのか、ゆかりは唖然とした様子で俺に視線を向けてくる。
「ああ、当然だろ。お前以外に誰がいるんだよ」
「それは……」
ゆかりも、タルタロスで行われている
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