つぶやきで書いた短編まとめ
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
シャツ男が声をあげる。
「おお、もう復活したよ。ひょっとしなくてもあんた――狩猟者かい?」
狩猟者――黄昏種のように異常な能力と引き換えに人間性のどこかを欠落させる訳ではなく、言うならば黄昏種の上位種とも言える存在。法的には健常者でありながら実力で黄昏種を圧倒し、黄昏種虐殺の陰には彼らの存在がいたというのが一般的な見解だ。
質問に対し、男はその目を鋭く研ぎ澄まして東洋人を睨みつけた。
「そういうアンタはどうなんだ?タグつきの黄昏種でもなく、俺たちの仲間でもねェ。なのに俺を投げ飛ばすたぁ………どういう了見よ?」
「ふむ。自己紹介をご所望か。ちょっと待て」
東洋人はマイペースにポケットをまさぐる。目の前の男が人の頭蓋を卵の殻より容易に叩き割れると知りつつ、自分のペースを決して崩さずに。やがて黒いカード入れのようなものを取り出した東洋人、それをぱかりと開いて男に見せつけた。
「俺は――ヨウタ・シラヌイ巡査。エルガストルムのやさぐれ警察だよ」
= =
――おいおい俺ってばなに余裕ぶっこいて警察手帳ドヤ顔で見せびらかしてんだよこいつ絶対外部から来たヤバイ奴だよヤベェよヤベェよ真剣本気と書いてマジで!!畜生傭兵連合は何やって………あ、こんなのが入り込んでる時点でもしかして連合も襲撃受けてんじゃね!?っつーことはクリスチアーノ組とかも!?うわーうわー最悪だよマジで援軍の到着が絶望的っていうか援軍来ても向こうが本気になったら肉塊増えるだけっていうか!!
……ヨウタという男は、余裕ぶっこきながらも内心では超焦っていた。
彼はなんとなく仕事がないので散歩がてら町を巡回していて、その途中でガラの悪い男が黄昏種を襲っているのを発見したので特に何も考えずに間に割って入って男を掴み、「あ、こいつもしかして黄昏種並みに危ない奴じゃね?」とカンで判断して足払いをかけて犬上家ばりに頭から地面にたたきつけるという極めてテキトーなことをした。
結果、相手は明らかに無法者の狩猟者プラス町全体が危機的状況という推定事実にたどり着いてしまつという何ともデンジャーな事実に気付いてしまった。
こういう手合いは、目的のためなら一般人も殺しちゃうことがある。黄昏種とか関係ないガチの犯罪者なので法律を気にするほうがおかしいが、ともかく目的を妨害したヨウタは思いっきり殺される可能性が高い。
そしてヨウタは健常者。殴られれば怪我するし当たり所が悪ければ死ぬ。コンクリートを粉砕するパワーもないし、ビルを飛び越える跳躍力もない。ついでに体力も精々アマチュアアスリート程度のものだ。ミス=超即死である。
つまり、彼にできるのは精々『反撃を受けない速度とタイミングで相手を掴み』、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ