第4章:日常と非日常
閑話10「中学校生活」
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アリシアが言い切る前に司が口を塞いだ。
「司?」
「べ、べべ、別に悪い事は考えてないよ?ただ、いつも一緒にいるからって聞かれて、それに答えただけで…」
「もごもご…もご……」
「お、おう…」
慌てて弁解しようとする司と、何か言いたげなアリシア。
それを見て、なんとなく察する事ができた。
大方、僕の為人を司は話していたのだろう。
「あら、やっぱり一緒にいるんですね」
「あ、藍華。それに明人。もうお弁当は食べたの?」
「ああ」
やってきたのは大和撫子のように美しさを持つ女性と、寡黙な印象を受ける男性。
アリシアの同級生である龍堂藍華先輩と千台明人先輩だ。
ちなみに二人は由緒ある家系同士で婚約を交わしているらしい。
由緒ある家系だからか、龍堂先輩は茶道や琴など、千台先輩は柔道や剣道など色々と習い事もやっているとの事。大変そうだな…。
「二人共部活に来れるのは珍しいね」
「部活も学業の一端ですもの。疎かにはできませんわ」
「なるほどねー」
習い事があるからか、二人はあまり部活に顔を出さない。
それでも、なんでもそつなくこなす人達なので、アリシアに次いで弓道は上手い。
「では、お先に」
「また後でねー」
そのまま二人は更衣室の方へ向かっていった。
実は、アリシアは気軽に接している二人だが、あまり人気がある訳ではない。
むしろ、家系の事もあって腫れ物を扱うような反応が多い。
そこへアリシアの分け隔てない交流が役に立ち、こうして仲良くなったとの事。
「…ふと思ったが、夏休みの大会、出れるか…?」
「……あー…」
「確かに……」
弓道にも当然大会はある。
しかし、管理局から支援を要請される場合もあるため、棄権の可能性もあるのだ。
基本バックアップのアリシアはともかく、僕と司はよく駆り出される。
嘱託魔導師なので拒否する事も可能だけど…。
「…ここは学業優先とさせてもらうか」
「義務教育なんだからそれが正しいよね」
苦労人なクロノには悪いが、余程でない限り断らせてもらおう。
いや、別にいつもクロノから要請が来る訳ではないんだけどな。
「……んー…」
「…どうしたアリシア?」
「いや、なんというか…うーん…?」
アリシアは僕らをじっと見つめて首を傾げている。何か引っかかるのだろうか?
「なんというか、二人共馴染んだというか…。いや、今までも特に違和感とかはなかったんだけど…。…あーダメ、言葉に表せられないや」
「馴染んだ…?どういうことだ?」
「普段は関係ないんだけどね。学校での話。中学に入ってから
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