第4章:日常と非日常
閑話10「中学校生活」
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「じゃあ、先輩(笑)、よろしく頼みますね?」
アリシアの言葉に司は苦笑いし、僕は敢えて乗ってあげる事にした。
しかし、丁寧な物腰な僕は違和感があるのか、アリシアは引いていた。解せぬ。
「…ごめん、やっぱなしで。というか、今の(笑)はなに!?」
「いやぁ…アリシアってなんか先輩っぽくないし…」
「ひどいよ!?」
霊術の特訓でよく一緒にいるし、よくてムードメーカーなお姉さん止まりだ。
なんというか“先輩”らしいイメージがない。
「あ、もしかしてアリシアに弓を教えた人と一緒にいた?」
「それに、小学校の頃“聖女”とか呼ばれてた…」
他の先輩方が僕らを見てそう言ってくる。
司は有名だったからいいとして、椿たちと来た僕も覚えられてたのか。
「どうやらあの時の勝負が結構印象に残ったみたいでさー、あの場にいたほとんどの人は椿の事を覚えてるんだよね」
「だから一緒にいた僕もついでに覚えられてたのか…」
「最近は大丈夫なんだけど、当時は椿に師事したい人が多くて頼まれたりもしたね」
他の部員が集まってくるのを、アリシアはやんわりと帰しながら言う。
…まぁ、弓においては椿はトップクラスだからなぁ…。
「でも、OBでも師範でもない椿を指導のために連れてくるのはなぁ…」
「以前は見学だったからね」
学生どころか一般人ですらない椿は、原則的に指導はできない。
まぁ、見本として弓を引く映像を撮って皆に見せるという事はできるけど。
「それにしても、アリシアも随分と弓道部員らしくなったな」
「立派な先輩らしくなったよね」
「ふふーん。もっと褒めてもいいんだよ?」
僕らの言葉に胸を張るアリシア。
…そういう所は子供っぽいし、変わらないんだな。
「他の人もいるんだし、アリシアも戻った戻った。お前が引いてる姿を見た方が、他の連中も入りたいと思うだろ」
「おおっと、それもそうだね。いつまでも喋ってちゃダメだった」
そういってアリシアは道場に戻っていく。
僕ら新入生は道場の隅の方か、矢取り道で見学する事になっている。
ちなみに、僕らの他に来ていた新入生は、ほとんどがアリシアと司の二人と一緒にいる僕を羨ましそうに見ていた。
まぁ、二人共美少女だしなぁ…。他の小学校から来た奴も含めて、一緒にいる僕を妬ましく思っても仕方ないか…。
……授業がつまらない…と思うのは間違っているだろうか。
いや、先生によっては生徒との会話で面白い事もあるだろう。
ただ、前世が社会人だったため、いくらレベルの高い中学校と言っても、勉学を怠っていない僕にとって簡単すぎて…。
「復習にはなってる
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