最終章:夢を追い続けて
第57話「終わる学園」
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る施設でないと。
そういった点では、このIS学園は持ってこいなのだろう。
「尤も、あいつらにはバレバレだろうがな。どうせ、先日のテロもあいつらは知っているだろう。その上でIS学園がなくなり、私達が拠点にするのも予想しているはずだ。」
「...桜さんと束さんだからなぁ。」
しかし、だからといって別の手段はとれない。
桜さん達が分かっているのを踏まえても、ここ以上の拠点はない。
「とにかく、生徒にはもう少し大人しく待っているように伝えるつもりだ。それまでは、御神の者や更識家が警護に協力してくれる。...もちろん、対価は払っているが。」
「対価...。」
「普通に金だ。一応、IS学園にはまだ金が残っていたからな。」
皆が帰国するための手配などしても、まだ雇うだけの金があったのか...。
まぁ、政府から援助されていたのだからおかしくはないが...。
「拠点にするという事は、マドカ達に伝えておけ。」
「分かった。」
「それと....だ。」
話が終わったと思った瞬間、千冬姉から軽く手刀を落とされる。
「いてっ。」
「今はまだ教師と生徒の立場だ。“織斑先生”と呼べ。」
「...そういう織斑先生だって明らかに生徒に対する接し方ではありませんでしたけどね。マドカも名前で呼びましたし。」
「ふっ、そんな事は知らんな。」
久しぶりに千冬姉の横暴っぷりを見た気がする。
まぁ、冗談めかしているから横暴と言える程ひどいものでもないけどな。
「テロの被害や他の生徒の心配で気を病んでいる暇はないぞ。...あいつらを止めるのならば、ここで立ち止まってられん。」
「....はい...!」
千冬姉の言葉に、俺は力強く返事を返す。
そしてそのまま背を向けて別れる。気絶させた生徒とかは千冬姉に任せよう。
...そこまで深く親しんだ訳ではないけど、お別れ会ぐらいは開くべきだろうな。
たった半年。されど半年だ。お世話になった人もいるしな。
「...教師を代表して、私から言わせてもらう。....皆、すまなかった...!私が...私達が不甲斐ないばかりに、生徒を危険に晒すどころか、学園そのものがなくなってしまう事を、防ぐ事ができなかった!」
数日後。本来であれば一学期終業式の日。生徒達に全てが伝えられた。
皆が皆、少なからず衝撃を受けていた。中には泣く者も当然いた。
一部の聡い人は予想はしていたみたいで、納得した表情だったりもした。
その一週間後に、今度は食堂に生徒達は集まっていた。
この学園に通う者が集うのは、今日が最後だとしてパーティーを開くためだ。
そして、そのパーティーを始める前に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ