最終章:夢を追い続けて
第57話「終わる学園」
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
最善を尽くしたつもりだった。士郎さん達も精一杯頑張った。
...だが、それでも誰かが...あいつが、傷ついた。
「...気にするな、とは言わん。だが、気に病む必要もない。人一人に守れる存在は限られている。...と言っても、お前は納得しないか。」
「...理解はできています。」
「そうか。...この場にいても意味はない。行くぞ。」
「はい。」
誰もいない所に長々と留まっていた所で、何の意味もない。
それに、俺はともかく千冬姉...教師にはやるべき事が山積みだ。
―――...また、騒ぎが起きた。
主犯は、ユリア・エーベルヴァイン。...ユーリの元姉だ。
そして、他にも彼女と同じ女尊男卑の連中も便乗していた。
それは一部の教師も同じで...だからこそ、学園は崩壊した。
「これは....なんの真似だ?」
場所はあいつが治療を受けている部屋の前。
あいつは、目覚めた際に俺達関わってきた人間全員に対し、謝罪した。
心変わりしたその心情は分からないが...傷が治るまで、俺は一応見舞いに来ていた。
...その帰りに、俺は複数の女子に囲まれたのだ。
「うるさい!男は黙って私達の言う事を聞けばいいのよ!」
「...話にならんな。」
いやホント、マジで。完全に癇癪を起してしまっている。
テロなどで追い詰められたのもあるだろうが、これはなぁ...。
「...この先には重傷者がいる。身内でもない限り、易々とは通せんな。」
「口答えは許さないわ!」
そういって、全員が襲い掛かってくる。
...まったく、後ろ盾もいなくなった状況でそれは悪手すぎるぞ...?
「女尊男卑の風潮があったのは、ISが女性にしか動かせないという前提があったからだ。今、それがなくなった状況では、ISが生まれる前と同じで対等な立場でしかない。...それは権力に限らず、物理的なものでも、だ。」
「ぐ、ぅ...!?」
一人一人丁寧に捌く。素人の...それも女性が相手だ。俺でもできる。
残ったのは主犯格であるユーリの元姉。
「くっ...動きなさい...!動きなさいって言ってるのよ!どうして言う事を聞かないの!?」
「当たり前だ。...そんな、自分勝手な事ばかり考えるお前に....ユーリを捨てたお前に、そのISが応えるはずがない。」
必死に自身の専用機であるゴルト・シュメッターリングに呼びかけるユリア。
しかし、ISはそれに応えない。あまりに自分勝手だったから。
「変わっていく...いや、歪みが戻っていく様を見ながら、今一度自分の在り方を見直す方がいい。...尤も、早く決断しなければ、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ