暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第57話「終わる学園」
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最善を尽くしたつもりだった。士郎さん達も精一杯頑張った。
 ...だが、それでも誰かが...あいつが、傷ついた。

「...気にするな、とは言わん。だが、気に病む必要もない。人一人に守れる存在は限られている。...と言っても、お前は納得しないか。」

「...理解はできています。」

「そうか。...この場にいても意味はない。行くぞ。」

「はい。」

 誰もいない所に長々と留まっていた所で、何の意味もない。
 それに、俺はともかく千冬姉...教師にはやるべき事が山積みだ。











   ―――...また、騒ぎが起きた。



 主犯は、ユリア・エーベルヴァイン。...ユーリの元姉だ。
 そして、他にも彼女と同じ女尊男卑の連中も便乗していた。
 それは一部の教師も同じで...だからこそ、学園は崩壊した。

「これは....なんの真似だ?」

 場所はあいつが治療を受けている部屋の前。
 あいつは、目覚めた際に俺達関わってきた人間全員に対し、謝罪した。
 心変わりしたその心情は分からないが...傷が治るまで、俺は一応見舞いに来ていた。
 ...その帰りに、俺は複数の女子に囲まれたのだ。

「うるさい!男は黙って私達の言う事を聞けばいいのよ!」

「...話にならんな。」

 いやホント、マジで。完全に癇癪を起してしまっている。
 テロなどで追い詰められたのもあるだろうが、これはなぁ...。

「...この先には重傷者がいる。身内でもない限り、易々とは通せんな。」

「口答えは許さないわ!」

 そういって、全員が襲い掛かってくる。
 ...まったく、後ろ盾もいなくなった状況でそれは悪手すぎるぞ...?

「女尊男卑の風潮があったのは、ISが女性にしか動かせないという前提があったからだ。今、それがなくなった状況では、ISが生まれる前と同じで対等な立場でしかない。...それは権力に限らず、物理的なものでも、だ。」

「ぐ、ぅ...!?」

 一人一人丁寧に捌く。素人の...それも女性が相手だ。俺でもできる。
 残ったのは主犯格であるユーリの元姉。

「くっ...動きなさい...!動きなさいって言ってるのよ!どうして言う事を聞かないの!?」

「当たり前だ。...そんな、自分勝手な事ばかり考えるお前に....ユーリを捨てたお前に、そのISが応えるはずがない。」

 必死に自身の専用機であるゴルト・シュメッターリングに呼びかけるユリア。
 しかし、ISはそれに応えない。あまりに自分勝手だったから。

「変わっていく...いや、歪みが戻っていく様を見ながら、今一度自分の在り方を見直す方がいい。...尤も、早く決断しなければ、
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