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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十七話 伝授
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からねぇ……こんな事をする為に試合をしたわけじゃねぇだろ?なんで…)
足を切り裂かれ、機動力を削がれた。アーマーを砕かれ、防御力を削がれた。切り札を破られ、決定打を封じられた。
打てる手は全て打った。そして、全て破られた。
今のアスカは、翼をもがれた鳥も同じだった。
戦闘で相手を追いつめると言うのならまだ分かるが、そんな事を試合でわざわざやる必要はない。
シグナムの考えが分からず、アスカは戸惑っていた。
その様子に気づいたシグナムが苦笑する。
「スマン、言葉が足りなかったようだな。アーマードジャケットは防御力はあるが、そのぶん機動力、特に俊敏正が犠牲になる。それでは双剣を振り抜く事が難しい」
シグナムはそう言ってレヴァンティンを鞘に収めてアスカに近づいた。
「振り抜く?………あっ!まさか!」
その言葉を聞き、アスカは初めてシグナムが何を伝えたいかを察した。
「オ、オレに?」
シグナムは頷くと、アスカの横に立つ。
「カードリッジによる魔力増幅。その時に魔力圧縮を行え。その時は、双剣はシングルモードの方が分かりやすいだろう。こう、腰溜めに構えて、デバイスに魔力が集中するようにイメージするんだ」
シグナムがアスカの手を取り、一つ一つ教えていく。
「……は、はい!」
ラピッドガーディアンをシングルモードにして、震える声でアスカが答える。
「魔力圧縮は物理的なものではない。双剣を終点にして、魔力を流し込むようなイメージだ。そこに魔力が集中するイメージを持つんだ」
シグナムはそう言って、今度はスッと下から上へ振り上げる構えをした。
「私の場合、デバイスは剣だ。振り下ろす方が理にかなっている。双剣の場合、剣に比べてリーチが短い。振り下ろすより振り上げる方がやりやすいだろう」
それからシグナムはアスカに背後に回り込み、腰溜めにした双剣に触れる。
「足からの力を腰に伝え、腰から背中を通して肩に伝え、肩から肘、拳を通って双剣に伝える。これに、リンカーコアからの魔力を乗せるんだ」
腰から背中、肩、肘、双剣を順に押さえるシグナム。
その説明を、アスカは黙って頷いて聞いている。
「私の場合は、踏み込みと体重移動の力を一点に集中させているが、何も同じ方法をとる必要はない。足からの力を使う方が、お前にはいいだろう」
そこまで言って、シグナムはアスカから離れ、鞘に入ったレヴァンティンを八双に構える。
「私は炎の魔力資質を持っている為にレヴァンティンが炎に包まれる。だがそれは、あくまで資質の違いというだけだ。分かるな、アスカ」
「はい!」
(オレに……いや、まだだ!感謝は受け取ってからだ!)
こみ上げてくる物を押し込み、
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