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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十七話 伝授
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ないアスカにシグナムが歩み寄る。
シグナムの言うとおり、ソニックムーブで視界から消え、フェイクシルエットを攻撃させて隙を作り、ナイフの発展系魔法のインパルスソードで決めると言うのがアスカの切り札だった。
アスカなりに工夫をし、精一杯考えての攻撃だったが、全ては徒労に終わった。原因は、決定的な爆発力不足である。
(まだ手はある。中途半端な紫電一閃が……)
動けないアスカは、それでもまだ構えを解かない。
残された手は、未完成の紫電一閃のみだ。
「今のお前に使えるか?」
アスカの心を見透かすようにシグナムが言う。
そして、
「肩のアーマーなどいらん」
バキッ!
レヴァンティンを振るい、アスカのショルダーアーマーを砕く。
「うわっ!」
アスカがよろめくが、シグナムは更に追撃する。
「腕も、足も、腰も、アーマーなどいらん」
バキッ!バキッ!バキッ!
アスカはアーマードジャケットを砕かれ、それでもまだ倒れない。
歯を食いしばって、シグナムを睨みつける。
「ひどい!あれじゃまるで嬲っているみたいだよ!」
アルトが叫ぶ。
「やめて!」「やめてください!」
エリオ、キャロもその凄惨な情景に叫び声を上げる。
「こんなの、止めなくちゃ!」
一方的にやられるアスカに、スバルが堪らず飛び出そうとするが、それをティアナが制止する。
「待ちなさい!出て行ってはダメよ!」
「なんで!あのままじゃアスカが!」
スバルがティアナに詰め寄る。まさかティアナが自分を止めるとは思わなかったのだ。
「落ち着けよ。さすがに、姐さんも殺しはしないさ」
ティアナに突っかかってるスバルを、ヴァイスも止めに入る。
「じゃあ、なんであんなひどい事をするんですか!」
納得のいかないスバルが、今度はヴァイスに詰め寄る。
「……たぶんだけどな。シグナム姐さんはアスカに何かを伝えようとしているんだ。
姐さんは、なのはさん程器用じゃねぇ…って言うか、ハッキリ言って不器用だ。
だから、こんな形でしか伝える事ができない………
信じようぜ、姐さんを、アスカを」
ブレストアーマーだけを残し、アーマードジャケットは破壊された。
インナーとして使用しているバリアジャケットもボロボロだ。
「……」
なのはは止めるべきか悩んでいた。
シグナムは厳しくはあっても、自分より弱い者を嬲って悦に入るような人物ではない。
今の行動は、彼女らしからぬものだった。
「どうだ?少しは動きやすくなったのではないか?」
まるで世間話をするような抑揚でシグナムがアスカに話しかける。
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