十香デッドエンド
序章〜零斗〜
[2/2]
[9]前 最初 [1]後書き
吐きながら言うとバタバタと音がする。
「零斗ー!出来たー!」
通路から艦橋に飛び込んできた少女の頭を捕まえて、反転させながら俺の膝に乗せる。
「…菜月。お前は毎回爆発しなきゃ作れないのか」
「好きで爆発させてるんじゃないもん!余剰の力が暴発して爆発音がするんだもん!」
頬を膨らませながら膝の上の少女____『神崎菜月』は俺に文句を言う。
「それが無くなれば力の方が上手く使えるんじゃないかよ…」
俺が文句を言い返すと艦橋にアラームが鳴り響く。
「六時の方向!DEMの艦が接近中!」
オペレーターの一人が、声を張り上げて報告する。
「数は」
「一隻です!」
それを聞くと俺は膝から菜月を降ろして立ち上がりながら指示を出す。
「後部ハッチ空けろ。『アルグレスト』はそのまま前進」
「「「「了解!」」」」
オペレーター達は指示を聞くと操作を始める。
俺は通路にはいると走りながら腰から『ゲーマドライバー』と『ガシャットギアデュアルβ』を取り出し、ゲーマドライバーを装着する。
「ったく、運の悪い敵さんだな。哀れに思えるぜ」
俺はため息をつくと、後部ハッチのある扉の前に立つ。
扉が開くと、後部ハッチから見える艦が見えた。
「まぁ、恨むならお前らの上司を恨むんだな」
ギアデュアルβのダイアルを右側に回すと、音声が響く。
『BANG BANG SIMULATIONS!』
『I ready for Battleship!』
音声と共にゲーム画面からシュミレーションゲーマが現れ、周囲を旋回する。
「第五拾戦術、変身」
そして、ギアデュアルβをゲーマドライバーに差込み、レバーを開く。
『デュアルガシャット!』
『デュアルアップ!スクランブルだ!出撃発進!バンバンシュミレーションズ!発進!』
シュミレーションゲーマを装着した俺はすぐにレバーを開閉しなおす。
『キメワザ!』
全身の砲撃ユニット・スクランブルガンユニットからエネルギーが発生し、それを放つ体制に移行する。
「喰らえ、そんで墜ちろ!」
『バンバンクリティカルファイア!』
両腕のキャノンと、全身のユニットから砲撃が放たれ、空を飛翔。
数秒して目の前に浮かんでいた艦は爆発して墜ちていった。
「敵艦轟沈。艦橋、応答どーぞ」
俺が叫ぶと近くのスピーカーから声がする。
『確認しました。流石ですね司令!』
「おう。あ、後部ハッチ閉めろよ。俺は部屋戻る」
俺は変身を解除すると、息を吐きながらハッチの部屋を出る。
これからの自身の不幸さを知りながら。
この日は四月九日。
彼が、いや彼らが新たな精霊に出会う前日だった。
[9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ