十香デッドエンド
序章〜零斗〜
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『やあ、久しぶりと言えばいいかな?』
俺の目の前にある端末から声が聞こえる。
「前に会ったのが数年前だからな。記憶が合っていれば、だが」
俺はキーボードを叩きながら声の主に返答する。
「んで、何のようだウッドマン卿。例の少年の経過報告か?それなら俺じゃなくて『フラクシナス』の方だろ…おい、何馬鹿やってんだ阿呆」
未だにキーボードを叩きながらその場にいるもう一人の人物に声をかける。
『どうやら忙しい場面で連絡してしまったかな?』
「いや、俺は良いんだがあいつの方はな…」
爆発音を近くで聞きながら声の主___『エリオット・ボールドウィン・ウッドマン』が苦笑する。
『彼女は接触禁止事項だからね。その力は君と、彼女しか使えないからな。我々の切り札の一つだが、あまり無茶はしないでくれと伝えてくれ』
「あいよ。んで、本題を頼む」
俺が促すと、ウッドマン卿が『うむ』と答える。
『これから君たちはフラクシナスの指揮下の元、天宮市の異動になる』
「珍しい異動だな」
俺はさほど驚きもせずに答える。
『事が起こる前に君たちを異動してほしいと五河司令からの要請でね』
「あー、あの司令が…」
それを聞いて少し考えるが、一度頷いて答える。
「配属異動、了解した。本艦『アルグレスト』はこれより天宮市に異動、五河司令指揮する『フラクシナス』の指揮下に入る」
『よろしく頼む。君達の活躍を期待しているよ』
それを最後に通信が切れ、一息を入れる。
「…ついに、か」
俺は椅子に掛けていた軍服を肩に掛け、自室から出る。
それから暫く歩くと、『アルグレスト』艦橋室に出る。
「あ、司令。お疲れ様です」
司令席の前で指揮していた女性____『南雲秋』が俺の存在に気がつく。
「今の時間帯は鍛錬と作成の時間では?珍しいですね」
「ああ。つい先ほどウッドマン卿から連絡が来てな。本艦『アルグレスト』はこれより『フラクシナス』の指揮下に入る。進路変更して天宮市に変更して航行をしてくれ」
俺の言葉を聴くと南雲は頷いて復唱する。
「了解。進路を天宮市に変更。警戒態勢をしつつ航行をお願いします」
「「「「了解!」」」」
艦橋室にオペレーター達の声が響く。それを聞くと、南雲は俺の方に向き直る。
「いつもすまないな」
「いえ、私も含め『アルグレスト』所属員はあなたに助けられてますから。あなたが出来ない事は我々が変わりにします」
それを聞いて苦笑すると椅子に座って言う。
「あまり真面目になりすぎるのも駄目だぜ?適度にリラックスすることも大切だ」
「それは司令にも言えることですよ。まぁ彼女にも言えるんですが」
南雲が言うと、爆発音が艦内に鳴り響く。『アルグレスト』は揺れるも、艦員は苦笑しながら作業を続けていた。
「…あいつ本当に何してるんだ」
ため息を
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